火山活動の推移を的確に見極めるため、ドローンを活用して火口内および周辺火山の噴出状態や地熱域状況を調査しています。今回は、令和3年度火山調査の取り組みとして2021年8月より実施した調査内容を発表しました。
現在のドローンテクノロジーを最大限活用
令和3年度は、浅間山・阿蘇山・薩摩硫黄島・口永良部島を調査。可視画像(静止画・動画)と熱赤外画像(静止画)を撮影しました。将来的に噴火時などでもドローン調査を行うことを想定し、入山規制の範囲外に離発着場所を設けて長距離の観測飛行を実施。また、活火山の地表面温度は太陽光に影響されるため、夜間飛行(目視外)を中心に行いました。
さらに、三次元で飛行ルートを設計できる「UgCS」というドローン運行管理ソフトを活用し、自動航行を実施。対地高度を一定にする必要がある熱赤外画像の撮影では、飛行高度やバッテリーマネジメントにおいて高度な運用を実現したといいます。
浅間山では、標高2568m・最大飛行距離片道約4500m・離発着場所からの最大高度差約1700mを記録。現在のドローンテクノロジーを最大限活用した観測を実現したとのことです。
2020年にも火山調査を実施
ヘキサメディアは、2020年8月にも気象庁の同調査を受託し、火山調査を実施しています。このときは、立入禁止エリア外から草津白根山・阿蘇山・霧島山新燃岳・口永良部島新岳の可視画像と熱赤外画像を撮影。太陽光の影響を考慮して夜間を中心に実施しました。
必須課題となる火山噴火口直上からの撮影には赤外線カメラを活用し、最大高度1200m・最大距離4kmの飛行を行っています。
パーソルP&Tらも、火山調査を実施
気象庁の同調査は、パーソルプロセス&テクノロジー株式会社(以下、パーソルP&T)も受託。パーソルP&Tとイームズロボティクス株式会社は、2020年10月~21年2月にかけて草津白根山・口永良部島・阿蘇山・霧島山(新燃岳)の可視画像・熱赤外画像撮影を実施しました。両社は、標高が高い火山上空における低温下での飛行時にドローンやカメラのバッテリー消費が早まることを鑑み、1回あたりの飛行時間・飛行ルートを短く策定。また、太陽光の影響を避けるため早朝に撮影を実施しました。
さらに、ドローンに可視カメラと熱赤外カメラを同時に搭載することで飛行回数を削減し、効率的にデータを取得したようです。
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パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
(文・Higuchi)