多くのモバイルゲームは基本プレイ無料のスタイルが一般的で、気になるゲームがあればダウンロードするだけですぐに始められるというのが魅力のひとつです。
基本プレイ無料ゲームのほとんどは、キャラクターやアイテムを課金で入手していくことになりますが、どういったモバイルゲームに課金をしているでしょうか? 今回は2021年の最新調査結果を元に人気のモバイルゲームを見ていきます。
微課金が大半を占めるなか、月50万円以上の課金も
株式会社CRESTが公開した「最も課金したゲーム」調査は、「2021年にモバイルゲームで課金した実績がある」+「AndroidもしくはiOSでゲームをプレイしている」全国の10代〜60代の男女800人を対象に行われました。最初に気になるのは、ひと月あたりの課金額です。
この調査では、「120〜1000円」が最も多く、全体の半数近くの370人がこの範囲の課金と回答。これはいわゆる「微課金」と呼ばれる部類です。その次に回答が多かった金額も「1001円~5000円」なので、ライト層がかなり多いことがわかります。
その一方で、数は少ないながらも50万円以上の課金をしていると回答している人もいます。日割りで計算しても1日1万円以上で、かなりモバイルゲームに熱中していることがわかります。
課金の目的としては、「欲しいキャラ・装備品がある」が全体の約半数(47.4%)を占める結果となっており、ゲーマーなら「わかる!」といった印象ではないでしょうか。
従来のモバイルゲームにおいては、キャラや装備品はガチャで引き当てることのみでしたが、近年ではこうした内容を商品として販売しているタイトルも出てきています。
また、入手したレアキャラクターを自慢したいから課金する動機が約4倍(2020年調査比較)となっており、オンラインプレイならではの結果も。「ほしい+見せたい」というゲーマーの気持ちを反映した結果となっており、今後は配信などで見せることを意識したデザインにより注力したキャラクターやスキンなどが強化されていくのではないでしょうか。
最も課金したゲームはポケGO、ツムツム、モンストの3強に
みなさんが最も課金したゲームはなんでしょうか?今回の調査では、1位が『Pokémon GO』、2位が『LINE:ディズニーツムツム』、3位が『モンスターストライク』となりました。1位と2位は、2年連続同ポジションです。
トップ5のモバイルゲームはどれも息の長い有名タイトルで、プレイしたことはなくても名前は聞いたことがあるという人もいるでしょう。2020年調査との比較でも、顔ぶれそのものは変わっておらず、長く親しまれていることがわかります。
1位の『Pokémon GO』は人気IPポケモンのゲームで、実際に歩いてプレイをするモバイルゲームならではの位置情報ゲームです。2016年に登場した本作はリリース直後から世界中で支持され、ポケモンを求めて複数のスマホを片手に街に繰り出す人が続出しました。今なおイベントも行われており、改めてポケモンの人気を証明しました。
2位の『LINE:ディズニーツムツム』は、2014年にサービスを開始したディズニーキャラクターが多数登場するパズルゲーム。スマホならではのタッチ操作と、簡単なルールながらハマってしまうパズル要素が幅広い層に受け入れられています。
3位の『モンスターストライク』は、「ひっぱりアクション」で有名なタイトルで、今人気のeスポーツイベントにも採用されています。2013年にサービス開始され、今年で9年目を迎えるロングセラーゲームでもあります。
こうした長らく親しまれているゲームのなかで注目なのは、6位にランクインした『ウマ娘 プリティーダービー』です。2021年の登場ながらトップ5に迫る勢いのウマ娘は、「最も長くプレイしているゲーム」調査においても7位に食い込むなど、ファンが急増していることがわかります。
ウマ娘では有名馬を擬人化したキャラが実名で登場するといった点だけではなく、育成ゲームとしてのゲーム性の高さなどが支持されています。これに加えて、アニメや音楽などのマルチ展開も成功しており、運営を行うサイバーエージェントの大きな収益の柱にもなっています。
ウマ娘から競馬の世界を知ってリアル競馬に流れる層も出てきているなど、競馬の世界全体を盛り上げることにもつながっています。
「歩きスマホ」や「重課金」などのワードがメディアやSNSで取り上げられるモバイルゲームですが、ルールと節度を守ってプレイすれば場所を選ばず気軽に楽しめるゲームが多数あります。
次回の調査ではどんなタイトルが支持を得るのでしょうか。今から楽しみです。
(文・辻英之)