同社開発の自然言語AI「Concept Encoder(コンセプトエンコーダー)」を活用し、同社が提供するAIソリューション「WordSonar」のサービス第2弾として展開します。
膨大な“声”を俯瞰的に、誤変換なども解析
「WordSonar for VoiceView」は、金融機関における電話の音声をテキスト化したデータやメール、窓口や営業スタッフが記載する日報などから集められる膨大な“お客さまの声”を一元管理・解析します。AIが収集したテキストデータの特徴を捉え、すべてのデータをバイアスなくマップ上に表示。マップ上には、“アフターサービス関係”や“不適切な話法”など多くの項目が設けられ、問い合わせ量や類似する内容などを俯瞰的に把握できます。なお、内容が類似するものはマップ上で近くに表示されるようです。
「Concept Encoder」の特徴は、言葉や文章を単なる文字列ではなく意味や使われ方に基づいて解析することでしょう。そのため、内容の曖昧な文章や誤変換を含む文字列でも解析可能です。
類似性を見出し、マッピング
FRONTEOは、活用事例として、生命保険会社に寄せられた“お客さまの声”の解析結果を公開。“不適切な募集行為”や“入院等給付金支払手続”など37項目に基づく分類を表示しています。たとえば、“保険料払込関係”と“解約手続”という一見性質の異なりそうな項目がマップ上の近い位置に配置されています。これは、AIが2つの項目の「返金」に関連するという類似性を見出し、近くにマッピングしているようです。
なお、具体的な問い合わせの文言も確認できます。
また、トラブルにつながりそうなキーワードを入力し、関連性の高い“お客さまの声”を抽出可能。たとえば、「認知症」と入力すると、「高齢の母親が勧められるままに高額の保険に加入させられた。判断力が落ちているので取り消してほしい」という声が出てきました。
ここで注目したいのは、文言のなかに「認知症」というワードが出てこないこと。対象のキーワードが含まれなくても、AIが関連性ありと判断した場合はその声を表示します。
サービス第1弾に搭載した機能も実装予定
「WordSonar」シリーズの第1弾として今年2月に登場したのが、建設・製造現場の安全対策に関するリスク発見や予測を行う「WordSonar for AccidentView」。建設・製造現場の日報や事故報告書などの膨大なテキストデータを「Concept Encoder」で解析し、現場の危険要因を察知することで事故を発生前に予測するといいます。
このサービスに搭載された、危険因子の発生確率を下げる為の改善・予防策を明示する機能「Concept Encoder Optimizer」は、今後「WordSonar for VoiceView」にも実装予定とのことです。
なお、「Concept Encoder Optimizer」は、今年1月に特許を取得しました。
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(文・Higuchi)