バーチャル空間で高精細な桜・絵馬・水面を表現
「願いツナグサクラ VIRTUAL」は、舞い踊る桜の花びらや水面の反射で彩られた幻想的な空間を歩き回りながら、1000本以上の桜木に飾られた絵馬をWebブラウザから手軽に閲覧できるコンテンツです。同コンテンツでは、パソコンやスマートフォンなどの端末性能に依存せずに高精細なバーチャル空間を提供する技術「リアルタイムクラウドレンダリング」を採用。
これまで細かな花びらなどを高精細かつリアルタイムに描写するには、高性能なゲーミングPCや専用アプリのダウンロードが必要でしたが、同コンテンツは視聴デバイスではなくサーバーで映像処理を実施。
低スペックのPCやスマートフォンでも、Webブラウザで高精細なバーチャル空間を体験できるといいます。
アクセス量に応じてサーバーを自動で増減
stuはリアルタイムクラウドレンダリングを実運用するにあたり、アクセス量に応じてサーバーを自動で増減するオートスケール技術を開発。同技術により、大規模なサーバーの常時起動が不要となり、低コストで効率的な運用ができるようになるといいます。
加えて、コンテンツのローディング時間をカットし、バーチャル空間への高速なアクセスを実現するとのことです。
5G対応スマホとサーバー間の操作遅延を低減
今回のコンテンツ提供は、KDDIが2021年から実施している5GとAWS Wavelengthを活用した3Dグラフィック表現実証の一環です。AWS Wavelengthは、5GネットワークのエッジにAWSのコンピューティングサービスとストレージサービスを組み込み、超低遅延が求められるエッジコンピューティングの活用を支援するサービス。
同サービスの活用によって「願いツナグサクラ VIRTUAL」は、5G対応スマートフォンとサーバー間の操作遅延を低減し、なめらかな操作でよりインタラクティブな体験を実現するといいます。
複数のメタバース空間をシームレスに移動する仕組みの実現へ向けて
stuは、5GやXRなど先端技術領域における企画開発をおこなっている企業です。同社は、2021年8月にKDDIが実施した、スマートフォンでビルや都市空間のデジタルツインを体験できるVR表現技術の実証実験に参画しました。
この実験で活用したのが、願いツナグサクラ VIRTUALで活用したリアルタイムクラウドレンダリング、そして5GとAWS Wavelength。
現在、stuはこれらの技術を活用したメタバース空間で「ボリューメトリックビデオ活用(空間全体を3Dデータ化する技術)」や「リアル空間とバーチャル空間の連動技術」を用いたコンテンツ配信を実施する“ソフトウェア開発キット”の提供を目指しています。
また、複数のメタバース空間をシームレスに移動する仕組みの実現なども視野に入れ、今後も開発を進めていく方針です。
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(文・Haruka Isobe)