「空のインフラ整備」を担うメトロウェザー
メトロウェザーは「エアモビリティ社会」と「安全安心な都市生活」の実現を目指す、京都大学発の企業。同社は、京都大学生存圏研究所で培ってきた気象計測と信号処理の技術をもとに、風を3次元に可視化するドップラー・ライダー「Wind Guardian」を開発しました。
Wind Guardianは、赤外線レーザーを用いて微粒子(エアロゾル)からの散乱光を受信し、信号周波数の偏移を観測することで風の移動速度・向きを計測する測定機です。
同装置を中心とした半径最大約15kmすべての位置での風向・風速を3次元で把握したり、離れた地点にある風向・風速を同時に測ったりすることが可能。
空の風況を可視化することで、ドローン運航の安全性を確保できるといいます。
ドローンの安全で正確な運航に対する課題
ドローン技術の発展に伴い、インフラ点検・メンテナンス、物流などの幅広い分野での活用が期待されている近年。一方で、ドローンが飛行する地上付近の風は乱れが多く、大小さまざまな乱流が形成されていて、安全で正確な運航に対するリスクがあるようです。
ドローンの運航ルートにおける風況情報をリアルタイムかつ正確に把握し、運航管理に活用することが求められるなか、メトロウェザーはWind Guardianを開発しました。
これにより、風を正確に捉え、突風の可能性が高い飛行ルートを避けることが可能に。
また、ゲリラ豪雨の前触れとなる上昇気流を正確にキャッチするとともに、気象災害による損害を抑えることにも貢献するといいます。
幅広い市場への参入と、海外展開の土台作りを目指す
2018年11月に総額2.2億円の資金調達を実施し、ドップラー・ライダーの高精度化・小型化の開発を進めてきたメトロウェザー。同社は今回調達した資金を活用し、ドップラー・ライダーを活用した風況情報を提供するシステム開発をおこない、ドローンのレベル4(有人地帯上空での目視外飛行)運航のハードルとなっている「高度な安全性の確保」の達成を目指すとのこと。
今後は、今回のラウンドに参画した事業会社と協力し、ドローンのほか、エコシップ(二酸化炭素の排出量が少ない船舶)や障害物検知技術の開発を進め、培った技術の社会実装を本格化していくと語っています。
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メトロウェザー
(文・Haruka Isobe)