なお、同システム開発・生育試験は、福島県の令和2・3年度「地域復興実用化開発等促進事業費補助金」に採択されています。
ウミトロンのスマート給餌機や魚体測定システムなどを搭載
同システムの核となるのは、ウミトロンが開発した陸上養殖向けスマート給餌機。独自開発の食欲判定AI「Fish Appetite Index(FAI)」で無駄餌検出と給餌制御を行い、魚の餌やりを遠隔自動化します。2021年9月から林養魚場の陸上養殖プラントにて実施した生育試験では、事前設定した給餌量の約20%を無駄餌と判断し給餌停止し、その有効性を確認しました。
同システムには、NECグループの有する魚体重自動測定システムとデータ統合技術も活用。魚体重自動測定システムから取得したデータ(魚体重・給餌量など)をもとに生育効率を可視化します。
陸上養殖におけるコスト・作業の半分は餌やり
魚の食欲は成長や健康状態によって大きく変動するため、生育効率を高めるには適切な餌やり管理が重要。陸上養殖事業のプラント運営において餌やりは、コストや作業時間の約5割を占めるとも言われています。また、徹底した水質管理が行われる陸上養殖設備において、水質濾過サイクルに負荷をかけて設備管理上のコスト増にもつながる過度な給餌は避けなければなりません。
しかし24時間稼働する循環型陸上養殖プラントでは、給餌や監視などを担う熟練の人員が不足。自動化による省人化・コスト削減が急がれているようです。
今後はフランチャイズ展開も
3社は今後、同システムをネッツフォレスト陸上養殖株式会社が展開するフランチャイズ型の循環式陸上養殖場に実装する見込み。また、陸上養殖プラントパッケージとしての提供、給餌システム機器としての販売、陸上養殖におけるAIを活用したコンサルティング事業などを展開していくようです。
PR TIMES
NECネッツエスアイ株式会社
(文・Higuchi)