同社によると、3Dプリンタによって造形した構造物を公共工事で使用するのは、国内初とのことです。
施工期間の短縮と人員の削減に貢献
今回、Polyuseは「3Dプリンタ運用の更なる最適化」「既存工法との各種比較検証」などを目的に、入交建設とともに高知県にて3Dプリンタを活用した土木構造物の施工を実施。3Dプリンタ施工により、型枠組立からコンクリート打設のフローを最適化し、工期の短縮や人員・コストの削減を実現しました。
これまでの施工では、型枠組立(2〜3日)、コンクリート打設(1日)→養生(2〜3日)→据付(1日)の合計6日〜8日の工期を要していましたが、今回の3Dプリンタ施工では、印刷造形(1日)、養生(1日)、据付(1日)の合計3日に工期を短縮。
また、施工に携わる人員も11人から6人に減らすことができたといいます。
深刻な人手不足問題を抱える建設業界
近年、「2025年の大阪・関西万博」「社会インフラの老朽化対策」に対する建設投資の拡大が見込まれている状況とは裏腹に、建設業界は深刻な人手不足問題を抱えているとのこと。とくに、型枠組立(コンクリート構造物を作る際に発生するコンクリートを流し込む作業)は熟練工に任せられることが多く、「技術継承が難しい」「担い手不足」といった課題が浮上しているようです。
こうした課題を受けて、Polyuseは土木構造物の製造に、3Dプリンタを活用。現場作業において型枠の必要がなくなり、最低限の資材や素材で造形が可能となるため、熟練工の技術なしで、効率的に工程を進めることができるようになるでしょう。
建設用3Dプリンタを活用したPolyuseの取り組み
Polyuseはこれまで、パートナー企業の協力のもと、3Dプリンタを使った数々の実証実験をおこなってきました。2021年6月には、前田建設工業株式会社との共同実証実験において、3Dプリンタを用いて円柱型の集水桝(しゅうすいます)を造形。
2022年2月には、株式会社MAT一級建築士事務所による設計をもとに、3Ⅾプリンタを活用して建築部材を製作しました。
同社は「今後もPolyuseは入交建設や連携するパートナー企業と共に建設用3Dプリンタにおける人とテクノロジーの共存施工に挑戦して参ります」と語っています。
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(文・Haruka Isobe)