同調査は、3月11日(金)~13日(日)の期間、週1度以上在宅勤務で自宅のインターネットを使用する男女20~50代500名を対象にインターネット経由で実施。通信環境によるストレスやその影響、ネット回線選びの実態などを公表しています。
2人に1人が通信環境にストレス
まず明らかになったのは、約50%の人が自宅の通信環境にストレスを感じているということ。「普段、自宅の通信環境にストレスを感じたことがありますか」という質問に対し、49.6%が「強いストレスがある」「ややストレスを感じたことがある」と回答しました。
また、通信環境の悪さが最も影響する場面としては「仕事(テレビ会議含む)で利用している時」が約37%で第1位という結果になっています。
作業効率約4割低下、企業の損失への懸念も
先の質問で2人に1人が自宅の通信環境にストレスを感じ、仕事への影響も否定できないことがわかりました。そこで「インターネット回線状況が良い場合のリモートワーク時と比べ、 インターネット回線状況が悪い場合のリモートワーク時の仕事の生産性が下がったと感じたことはありますか」と質問。結果、52%が「ある」と回答しました。
さらに「インターネット回線状況が良い場合のリモートワーク時の仕事の生産性を100%とした場合、 インターネット回線状況が悪い場合のリモートワーク時の生産性は何%か」との質問では、回答の平均が60.9%となり、作業効率が約4割低下することがわかっています。
この作業効率の低下をもとに、社員100人規模の企業における損失を算出。すると、全社員が平均約60%の割合で在宅勤務を行うとして、年間で約1.3億円の損失が出る可能性が浮上しました。
約40%がネット回線をきちんと選べていない
つまり、自宅の通信環境が悪いことでストレスや作業効率低下を引き起こし、企業の損失にもつながりかねないということです。にもかかわらず、自身が契約しているネット回線について把握していない人もいることがわかりました。調査では、「どこの会社(サービス)を利用しているか、また、どのくらいの費用がかかっているか把握していますか」と質問。結果、サービスは10人に1人・費用は5人に1人が「把握していない」と回答しました。
さらに、回線契約のきっかけとして「引越し時に付いていたものになんとなくそのまま決めた(23.4%)」「お店の人(携帯電話ショップ・家電量販店など)に勧められて決めた(16.4%)」など、約40%は“ネット回線をきちんと選べていない”という事実があるようです。
リモートワーク定着でネット回線は重要なインフラに
総務省の発表では、民間企業におけるリモートワーク実施率は、1回目の緊急事態宣言時(20年5月28日~6月9日)には56.4%を記録。宣言解除後には低下したものの、2回目の緊急事態宣言時(21年3月1日~8日)には38.4%へ再上昇しています(東京商工リサーチ調べ)。また、パーソル総合研究所の調べでは、2020年3月のリモートワーク実施率13.2%に比べて11月には24.7%と大幅に増加。業種間の差はありますが、リモートワークは一定程度定着傾向にあることが報告されています。
今後もリモートワークが継続していくとみたとき、自宅のインターネット環境は重要なインフラと言えるでしょう。そのインフラにストレスを感じてしまうのはいかがなものか……。
今回の調査を受け、経済アナリスト 馬渕磨理子氏は「インフラはストレスを感じなくなり、存在していることを皆が忘れてしまうレベルになって初めてインフラとして完成します。(中略) 使用するサービスを使う人自身で決定することが好ましい時代だと言えます」とコメントしました。
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総務省
(文・Higuchi)