そこで今回は、主に職域向けにオンライン診療などの健康支援プログラムを提供し、予防医療テック事業を展開する株式会社リンケージにフォーカス。同社はこのたび、資金調達を実施し、プロダクトの機能拡充などを図る構えです。
予防医療の重要性
同社は、企業や団体などのコミュニティから個人に働きかけ、個人のウェルネスを実現する複数のオンラインサービスを展開中。のべ174組合・企業1,550社への健康サポート実績を有し、加入者数は約600万人に上るようです。医療保険制度によって医療を受けやすい日本では、「症状が出てから治療する」という認識が一般的だといいます。しかし、表面化しづらい心の不調や自覚症状の乏しい生活習慣病などは発見の遅れが重症化につながるケースもあるようです。
そこで重要なのが予防医療。とはいえ、忙しい毎日のなかで常に自分の健康に気を配り、専門家とつながるというのは容易ではありません。こういった背景から、スマートフォンやPCで利用者と専門家をつなぐオンライン診療システム 「D-CUBE」を基盤とする職域向けオンライン健康支援サービスを提供しています。
「Rasika」でストレス状況を可視化
なかでも注目したいのは、時代の流れを捉えたメンタルウェルネスサービス「Rasika」。東京大学医学部附属病院 心療内科との共同研究で、テレワークなどの働き方に即したストレス状況を把握する設問を開発しました。ストレスチェックの結果は、Web上で拠点・部署・属性ごとに多角的に分析・比較可能。個人ごとのフィードバックや職場改善に資するアイデアを提供します。併せて、保健師によるチャット相談サービスや専門医による産業医面談のサポートなど豊富なメンタルサポートサービスも展開中です。
女性の働く環境を守る「FEMCLE」
また、働く女性の健康課題に着目した「FEMCLE」も提供中。NPO法人日本子宮内膜症啓発会議(JECIE)および約100名の専門医が、月経や更年期など女性特有の健康課題をサポートします。具体的には、オンライン問診の実施・分析、組織診断で個人と組織の課題を可視化して“気づき”の機会を提供。個人にはチャット相談・医療機関紹介などで課題解決を促し、組織には改善案を示します。
また、教育コンテンツや専門医のセミナーによって、経営陣や各部署のマネージャー陣などに“まなぶ”機会を提供。組織全体のヘルスリテラシー向上にも寄与します。
累計調達額8億円、プロダクトの機能拡充へ
このほか、「禁煙サポートサービス」や「オンライン特定保健指導プログラム」、「オンライン糖尿病重症化予防プログラム」なども提供中です。なお、オンライン薬局 「LINKAGE PHARMA」など、一般向けに提供しているサービスもあります。そんな同社はこのたび、株式会社マイナビ・Medical Development Support 1号投資事業有限責任組合・個人投資家の竹内真氏および上沢仁氏らを引受先とした第三者割当増資を実施。これにより累計調達額は8億円となりました。この資金は、主にプロダクトの機能拡充と人材採用に充てるようです。
同社が考える「健康」は、“自分らしくあることを阻害する、こころとからだの不調がないこと”。それを実現する予防医療テックに期待したいところです。
PR TIMES
株式会社リンケージ
(文・Higuchi)