香りを言葉に、言葉を香りに
「KAORIUM」は、香りと言葉を相互変換するAIシステム。膨大な言語表現・人々の香りの感じ方・風味情報を学習したAIが香りを言葉に、言葉を香りに変換し、あいまいな香りを可視化します。たとえば、フレグランスをひとつ選んでトレーに置くと、その香りをイメージしやすい「スーッとする」「透明感」などの感性的なワードが出現。逆に、「フレッシュ」などの言葉を選んでそのイメージに近いフレグランスを探すことも可能です。
同システムは、さまざまな領域での共創プロジェクトを実施中。飲食業や小売業、教育やエンタメなどの領域で、嗅覚をデジタライゼーションすることで新たな体験を生み出しています。
クラフトビールを、香り・印象・情景にたとえる
今回は、史上初となる“クラフトビール”を対象として飲食店向けの「KAORIUM」を開発。クラフトビール醸造所「大和醸造」直営店舗のほか、奈良県大和西大寺駅構内の「YAMATO Craft Beer Table」、近鉄奈良駅構内の「YAMATO Craft Beer SWITCH」に3月24日(木)より導入します。この「KAORIUM」は、“大和醸造定番ビール”と呼ばれる4種類のクラフトビールを、香りや印象、情景にたとえた言葉で可視化。スマートフォンで店内(ビールサーバー横)に掲載されているQRコードを読み込むと表示されます。
「KAORIUM」はフレグランス専門店での活用も
香りを可視化する「KAORIUM」が真っ先に活用されたのはフレグランス専門店。2021年4月・5月に期間限定で株式会社BIOTOPEが運営する香水の専門店「NOSE SHOP」へ導入されました。このとき、AIは「NOSE SHOP」の顧客から抽出した5000件を超える主観データを学習したようです。また同年11月には、「KAORIUM」をベースに開発した日本酒ソムリエAI「KAORIUM for Sake」を紀ノ国屋 渋谷スクランブルスクエア店に期間限定導入しました。
「KAORIUM for Sake」は、“癒やされたい”や“気合を入れたい”などの気分と日本酒とのマッチ度を計算し、相性のよい日本酒をレコメンドするシステム。また、「フルーティなお酒」というアバウトな表現ではなく「白ぶどうとライチのような風味を持ったお酒」など具体的な“風味マップ”として可視化するのも特徴です。
店内には、同AIの持つ風味データを活用し、日本酒と相性のよいフードをレコメンドするペアリングサイネージも設置。フルーツやポテトチップスなど、日本酒のお供としては珍しいペアリングも提案したようです。
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SCENTMATIC株式会社
(文・Higuchi)