素早く・数多く縄を跳ぶための技術
「PENTA-X」は、素早く・数多く縄を跳ぶために縄の挙動を徹底的に解析し、ばらつきを極限まで抑えた縄回しの条件とペンギンの仕様を追求して誕生したロボット。5体のペンギン人形が搭載されています。
縄の挙動はモーションキャプチャーで解析し、PENTA-Xの最適寸法と縄の跳ね返りが少ない回し方を導出。ジャンプのONとOFFを正確に切り替えるため、複合機に用いる反射型センサーを使用して高い応答性を実現しました。高出力モーターの絶縁制御回路により、高いノイズ耐性も備えています。
また、安定した高いジャンプ力を出すため回転運動を直線運動に変えるシンプルな“間欠スコッチヨーク機構”を採用。高く飛んでも踏ん張れるように採用されたのは、なんとBB弾です。
そして、小型で反応速度が十分な制御マイコンを採用。縄を回しながらパラメーター調整が簡単にできる仕様になりました。
悔しい思いを乗り越えて……
「PENTA-X」のはじまりは、NHK BSプレミアムで1月29日に放送された技術開発エンタメ番組『魔改造の夜』。ここに出演したリコーグループの技術者が、ペンギンちゃん人形を改造して縄跳びを行う「ペンギンちゃん大縄跳び」マシンとして制作しました。番組収録前の練習時には100回以上跳躍しましたが、本番は17回で終了。納得のいかない技術者たちが、さらなる開発を重ね、ギネス世界記録に挑戦しました。
結果、目標の120回を大きく上回る170回を記録。「1分間に最も多くロボットが縄跳びを跳んだ回数」としてギネス世界記録に認定されました。
「TRIBUS」の運営部門が後押し
今回の取り組みは、リコーのアクセラレータープログラム「TRIBUS(トライバス)」の運営部門が、技術者の挑戦を後押しするために実施したものです。「TRIBUS」は、スタートアップ企業やリコーグループ社内外の起業家を支援し、事業共創を目指すというもの。これまでTechable(テッカブル)でも、現実空間に全方位映像を映し出せる投影装置「WARPE(ワープイー)」や、発言をリアルタイムにイラスト化する「piglyph(ピグリフ)」などの「TRIBUS」発プロダクトを紹介してきました。
同社は今後も、社員がイキイキと自律的に働き、新たな価値創造と事業創出に取り組むことで創業100周年へ向けて掲げる2036年ビジョン「“はたらく”に歓びを」を社員一人ひとりが実現していくことを目指すとのことです。
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株式会社リコー
(文・Higuchi)