そのアルツハイマー治療に新たなアプローチをしているのが、韓国の神経学者とサムスンのエンジニアが共同で開発している「Ybrain」だ。
スタートアップ名と同じ名称のYbrainは頭に取り付けて使用するヘッドバンド。2つのセンサーから2ミリアンペアの電気信号を流して脳の特定部位を刺激することで、症状を緩和するというもの。開発者らによると、従来の薬物治療に比べ、その効果は20〜30%高いという。
使い方としては、Ybrainを1日に30分、週に5日付けるだけ。しかも自宅で利用できる。そして、すにで発症して薬を服用している人はもちろん、「物忘れが増えてきた」くらいの初期レベルの人にも使えるという。
Ybrainは現在、サムスン・メディカル・センターで臨床試験を行っており、韓国と米国の医薬品当局の承認を得た後に発売される見込みだ。開発・生産の原資にしようと、Ybrainはこのほど350万ドルを調達した。
テクノロジーの発達で、医療分野は以前にも増して日進月歩となっている。最先端のテクノロジーを活用しつつ既存の概念にとらわずにチャレンジするのは、スタートアップの強み。このYbrainも画期的なガジェットとなる可能性を大いに秘めているといえそうだ。
Ybrain