各企業はそれぞれ解決の糸口を模索中ですが、これらの課題を企業単位で解決するのは難しいとか。そんななか、課題に直面している企業や課題を解決する技術・サービスを持つ企業が集結して誕生したのが、Marindows株式会社。
今回は、そんな同社にフォーカスしてみましょう。
3つの起爆剤で海事産業にIT革命を
同社は、共創型オープンプラットフォーム「Marindows」を構想中。文字通り、内航海運の課題に直面している企業や課題解決に資する技術・サービスを有する企業と共に作り上げるプラットフォームです。同社は、ITで海事産業に革命を起こすため3つの起爆剤を想定。それが、海上ブロードバンド通信の普及・促進による海上オンライン化、「Marindows」で提供するデジタルプラットフォームとアプリによるリアル・デジタルの融合、「Marindows」を通じた企業と企業の連携です。
まずは喫緊の3課題を解決したい
現在、同社は内航海運における課題のなかでも“船員”と“安全”に関するものを喫緊の課題と捉えています。具体的には、船員働き方改革・船員の健康向上・船員と船舶の安全向上です。これら3つの課題を解決すべく、今年10月からの開始に向けてサービス開発を進めています。
働き方改革については、船員向け業務サポート端末を展開予定。誰もが使いやすいUIで勤怠入力・勤怠管理を効率化するものです。なお、来年度から施行される改正船員法で求められる労務管理アプリも実装。
健康向上については、遠隔診察・処方とストレスチェック、デジタル船員手帳連携を備えたサービスを提供するようです。船員の医療格差を徹底的に解消し、健康向上に貢献します。
船員・船舶の安全向上については、ネットワークと連携する内航標準ドラレコと内航標準ポータブル電子海図をリーズナブルな価格で配布予定。ドラレコと電子海図によって船員・船舶の安全性を確保するとともに、船主・オペ業務の効率向上にもつなげたいようです。
シードラウンドで2度の資金調達
「Marindows」実現への第1歩として掲げた3つの課題。これを解決するサービス開発にあたり、同社はこのたび総額約2億円の資金調達を実施しました。引受先は井本商運株式会社・東京汽船株式会社・古野電気株式会社・三菱造船株式会社を含む合計5社とのこと。長年海事産業を支え、実際に課題を持つ当事者企業の参画により、同社の事業はさらに加速していきそうです。
なお同社は、21年11月にも旭タンカー・カシワテック・商船三井・ワールドマリンを引受先として総額2億円を調達していて、シードラウンドとしては今回が追加調達となりました。
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Marindows株式会社
(文・Higuchi)