自社の測定技術を応用した「リユースチェッカーRUC-100」
アイテス社は、最新技術分野で独自の技術を持って顧客の課題に取り組む企業。検査装置の開発のほか、電子部品の解析・評価サービス、電子機器修理サービス、ウェハー加工サービスを提供しています。2012年には、ソーラーパネル測定器「ソラメンテ」シリーズを開発。2022年2月末時点で、累計販売台数は3000台を超えているとのこと。
「ソラメンテ」シリーズのひとつである、ソーラーパネルの点検機器「ストリングチェッカー ソラメンテZ」の検知技術を応用し、発展させたのが「リユースチェッカーRUC-100」です。
正常作動性を自動計測、合否判定
リユースチェッカーRUC-100は、コスト・時間を最小限に抑えながら、正確にソーラーパネルを選別することを商品コンセプトとした計測器です。ソーラーパネルの適切なリユースを実施するために発行されている環境省の「太陽電池モジュールの適正なリユース促進ガイドライン」に沿って、正常作動性を判断するために5つの項目を計測します。
「開放電圧」「短絡電流」「インピーダンス」「バイパスダイオード開放・短絡」「絶縁抵抗」これらの測定項目を瞬時に自動判断し、液晶ディスプレイに〇×判定で表示。
測定項目はソーラーパネル毎に機器内蔵メモリに保存できます。
付属の専用ソフトを使用することでCSV形式のデータで出力できるほか、モードを切り替えることで日射あり・日射なし両方の環境で測定できるようです。
リユースソーラーパネルの廃棄処分・不適正輸出の課題
今回の開発の背景には、リユースソーラーパネルの廃棄処分・不適正輸出の課題があるといいます。2012年にスタートした「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」。
太陽光、風力、水力などの再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度で、再生可能エネルギーの普及の加速を目的としています。
同制度によって、大量のソーラーパネルが市場に導入されました。しかし、これらのうち故障や自然災害によって、寿命を待たずに廃棄されている製品があるとのこと。
国内では、このようなソーラーパネルを廃棄・リサイクルするか、リユース品として再利用できるかどうかを、効率的かつ低コストでおこなう手段がないといいます。
そのため、リユース可能であるにもかかわらず、産業廃棄物として処分したり、リユースとして不適切なソーラーパネルを海外へ輸出したりするケースもあるようです。
専門知識なしで簡単にソーラーパネルを見分けられるように
こうした課題を受けて、アイテス社は、太陽光発電関連機器の製品開発・販売やリユーズ・リサイクルをおこなうネクストエナジー社監修のもと、リユースチェッカーRUC-100を開発。これまでのリユースソーラーパネルの選別には、多大な時間とコストがかかっていましたが、同製品を活用することで、専門知識がなくてもリユース可能なソーラーパネルを簡単かつ短時間で見分けられるとのことです。
また、数千万円かかる従来型性能評価機に対して、同製品は100万円を切る価格となっています。従来よりも低コストでリユースソーラーパネルの流通を促進することが可能になるでしょう。
なお、同製品は3月16日(水)から東京ビッグサイトで開催される「脱炭素経営EXPO」の期間中、ネクストエナジー・アンド・リソース株式会社のブースにて展示される予定です。
今後も同社は、次世代エネルギー技術の分野から社会に貢献していく方針です。
PR TIMES
株式会社アイテス
経済産業省
(文・Haruka Isobe)