そこで日本電気株式会社(以下、NEC)は、小売店舗の商品棚に着目した店舗DXプラットフォーム「NEC 棚定点観測サービス」の提供を2月25日(金)より開始しました。
なお同サービスは、3月1日(火)~4日(金)に東京ビッグサイトで開催される「リテールテックJAPAN 2022」に出展予定(オンラインでは2月15日~3月11日開催)。また、6月から株式会社東急ストアの店舗にて本稼働する見込みです。
多様な画像を解析可能、プライバシーにも配慮
同サービスは、事前に学習用の商品棚画像を1枚登録するだけで、NEC独自のAIがカメラ映像からリアルタイムな棚の商品状況を可視化するというもの。両面テープなどで簡単に取り付けられる小型カメラを棚前に設置し、Wi-Fi接続すると、撮影画像は自動でクラウドに送信・解析されます。解析結果は、バックヤードのPCやスマートフォンに表示。PCでは、画像とともに商品陳列状況をパーセンテージで表示するようです。この結果は、APIを活用して本部などの他システムへ連携・一元管理できます。
注目したいのは、魚眼レンズや広角レンズなどの映像でも、商品棚部分のみを抽出してゆがみ補正をする技術。既存の店舗カメラ映像からでも解析できるので、設置カメラ数を抑えることができるといいます。運用に必要な月額(3980円~)はカメラ単位での契約になるため、広角カメラなどを活用するとコストダウンを図れるかもしれません。
さらに、画像に映り込んだ人物を消去する技術もポイントでしょう(特許出願済み)。人物を消去することで棚全体を把握しやすく、同時にプライバシーも保護できそうです。
品出しが必要な棚を優先度順に表示する機能も追加予定
同サービスは、第1弾の機能として商品棚の“今”を可視化する「売り場チェック機能」を提供。この機能では、過去の売り場状況も確認できるといいます。そして今後、「品出し支援機能」を追加予定。品出しを必要とする棚を検知して優先度順に表示するとともに、品出しが必要な商品のリスト作成も可能になるようです。
今回のように商品棚に着目した店舗DXソリューションには、花王グループカスタマーマーケティング株式会社と株式会社エル・ティー・エスが共同開発した「AI自動棚割り生成アルゴリズム」や、株式会社エクサウィザーズと株式会社スギ薬局が共同開発した「品揃え最適化AI」など、棚割りなどを自動化するAIもあります。
商品陳列の方法を示す棚割りAIと商品の補充・前出しをサポートする棚チェックAI。それぞれ役割は違いますが、どちらも商品棚DXに有効なソリューションといえるでしょう。
PR TIMES
「NEC 棚定点観測サービス」サービスサイト
(文・Higuchi)