そんな問題点を解決し、身近なスタビライザー開発に挑んでいるのが、熊本の企業、アドプラスだ。カメラ及びその周辺アクセサリーで培った技術を生かし、今年3月より製品化に着手。デザインが象に似ていることから「Elephant Steady」と名付けられた本品は、出資を募った米国のクラウドファンディングでも、大きな反響を呼んでいる。
小さく、軽量。持ち運び便利なポケットサイズ。かつてないほどコンパクトで高機能なスタビライザーをめざし、鋭意奮闘中の同社。開発の経緯や現在の状況を伺うべく、担当取締役、清家 英明(せいけ ひであき)氏を直撃した。
市場にない低価格で小さい製品を企画
Q1、製品開発のきっかけについて、お聞かせください。
スマートフォンで使うスタビライザーを探していても、どれも高価で携帯するには大きすぎるものばかりでした。そこで、低価格で小さい物を作ろうと、今年の3月くらいから企画を始めたのです。
私どもが製造販売している「GIMZON」の製品は、スマートフォンで撮影を楽しむことを目的として作られていますが、「Elephant Steady」も同様に考案されたものです。「Elephant Steady」を取り付けたiPhoneで動画の撮影をすれば、ブレのない美しい動画が気軽に撮影できるようになると思います。
Q2、「世界最小のスタビライザー」とのことですが、その辺も含め、製品の特徴について、詳しく教えていただけるでしょうか。
「Elephant Steady」以前の一般的な電動式のスタビライザーは、マイクロプロセッサーを内蔵していて、その制御によりモーターを稼働させています。マイクロプロセッサーにはジャイロコンパス等の高度なセンサーも搭載する必要があるため、大型になる上、値段が高くなってしまうという難点があります。
これに反して「Elephant Steady」は、iPhoneに内蔵しているマイクロプロセッサーやセンサー、アプリを利用するので、高価な部品を使う必要がなく、小型化できます。特に、ポケットに入る電動式のスタビライザーは、今までになかったものではないかと思います。
リリースは来年春頃を予定
Q3、クラウドファンディングにて資金調達されたそうですが、手応えはいかがですか?
「Elephant Steady」をクラウドファンディングに出す前は、反響があるか心配していたのですが、大変良い結果になっているのでうれしいですね。無事に開発資金が得られたので、これから一層頑張ろうと思います。
米国のKickstarterでの反響を見ますと、日本の方からの受けが一番いいような気がします。その他の国ですと、ロシアですかね。
Q4、製品は現在開発中とのことですが、正式なリリースはいつ頃になりますか?
来年の2月に投資してくれた方へのリターンを行う予定です。一般での販売はその1ヵ月後と考えています。どうぞご期待ください!
「今後もユニークな製品を作っていきたい」と、未来への意気込みを語る清家氏。来春には象の形をした美しいスタビライザーが世に出ていることだろう。それまで楽しみに待ちたい。
Elephant Steady