$399という低価格で2月25日(金)に発売されるSteam Deck。どんなゲーム機なのかご紹介しましょう。
手軽に低コストでPCゲームができるSteam Deck
eスポーツの盛り上がりやステイホーム需要が重なり、PCでゲームをするPCゲーマーが国内でも増えています。家電量販店の一角には、ゲーミングPCやチェア・デスクなどのコーナーがあるのも日常の光景になってきました。とはいえ、PCで快適なプレイをしようとすると、十万円単位のコストがかかるのが現状です。デスクトップPCともなると、本体以外にモニタやキーボードなどが必要になり、快適なゲーム環境を求めるほどコストアップすることに……。
また、スマホゲームとは異なり、ソファやベッドで寝転がりながらプレイするのは難しいこともあります。そんななか、もっと手軽に低コストでPCゲームができたら……という願いを叶えてくれそうなのがSteam Deckです。
外観・操作ともにSwitchに似ている
Steam Deckは、7インチのタッチスクリーンを搭載したハンドヘルド型のマシン。外観はSwitchにそっくりで、十字キーやサムスティック、トリガーボタンがあるのも一緒です。大きな違いは、Steam DeckがPCゲームプラットフォームのSteam向けに開発されていることです。ゲームの購入やプレイはSteam上で行います。
Steamは、2002年頃からPCゲームのプラットフォームとして立ち上がり、PCゲーマーなら誰でも知っているほどの知名度。ゲームの販売だけではなく、プラットフォームとしての機能を有していて、フレンドとのチャットやクラウドセーブなども実現しています。SwitchでいうところのMy Nintendo Store(マイニンテンドーストア)に当たります。
ごく簡単に言ってしまうと、Steam上のゲームがプレイできる携帯型ゲーム機がSteam Deck。もちろん、USB-C経由で大画面でプレイすることもできますし、microSDカードスロットがあるので、内蔵ストレージ容量を拡張することもできます。
通信はワイヤレス、マイクも内蔵されているのでボイスチャットも可能です。また、タッチパッド内蔵なので十字キーやサムスティックではプレイしづらいゲームを楽しむことができます。まさに、「オールインワンポータブルゲーミングPC」といっていい内容です。
モデルは3タイプでPCとの連携可
こういった仕様を持ちながら、価格が$399からというのはPCゲーマーからすれば衝撃です。現在公式ページで発表されているのは、$399モデル、$529モデル、$649モデルの3タイプ。付属品などの違いのほか、内部ストレージ容量が異なります(それぞれ、64GB、256GB、512GB)。いずれのモデルもPCとの連携が可能で、PCでプレイした途中からSteam Deckでプレイすることができます(その逆も可能)。UIはSteam Deck用の新しいデザインが採用される予定で、文字が小さくて見えない、画面上のボタンが押しにくいなどがないように配慮されたものが公表されています。
OSは、LinuxベースのSteam OS 3.0を搭載。このOSは、Steam Deckを念頭に置いて構築されており、ハンドヘルドゲーミング体験用に最適化された新バージョンであるとアナウンスされています。
気になる互換性と日本での販売予定
これはほしい!と思った人がいるかもしれませんが、気がかりなことが2つあります。1つは、どれぐらいのSteam上のゲームが、Steam Deckで快適にプレイできるのか?ということ。Steam上のゲームは、元来ゲーミングPCなどでプレイするように開発されたゲームがほとんどなので、すべてが快適にプレイできる保証はありません。
実際、公式ページ内にも「多くのゲームはSteam Deckでそのまま動作しますが、一部のゲームはデスクトップPCでは快適に動作しても、Steam Deckでは快適に動作しない場合があります」と明記されています。
現在、同社ではSteam上のゲームをレビュー中のようで、販売時には以下の4つのカテゴリー分けがされる予定です。
確認済み:Steam Deckで快適に動作
プレイ可能:ゲームをプレイするには、ユーザーによる手動の調整が必要な場合がある
非対応:Steam Deckでは動作しない
不明:互換性チェックが済んでいない
もう1つは、日本での販売予定です。公式情報では、2022年2月28日(月)からアメリカ、カナダ、欧州連合、イギリスで出荷開始となっており、このなかに日本は入っていません。日本を含むアジア地域は2022年内とのアナウンスがあるだけで、詳細は発表されていないのが現状です。
世界規模の半導体不足があるとはいえ、Steam Deckの公式ページはすでに日本語化されているなどの事実があるため、かなり期待は高まります。今後の発表に注目です。
(文・辻英之)