ドローンを飛行させ、海岸にあるゴミを上空から検知してその集積地を把握するというもので、早ければ今夏にも活用される見通しです。
機械学習ベースのアルゴリズム
海岸に流れ着いたゴミの回収は、海洋を漂うゴミの回収よりもおそらく容易でしょうが、それでも延々と続く海岸を網羅するのは大変な作業です。この作業を効率化するために人工知能を活用するというのが米国で進行中のプロジェクトです。中心となってプロジェクトに取り組んでいるのは、オレゴン州立大学と米海洋大気庁の国立沿岸海洋科学センターの研究者で、ゴミの発見にドローンを活用します。
研究チームはドローンに搭載する偏光カメラがとらえた物がゴミなのか、あるいは岩や植物など自然のものなのかなどを識別できるよう、機械学習ベースのアルゴリズムを開発しました。
物体の反射でゴミを識別
具体的には、対象物が反射する偏光に基づいて、人工物かどうかを判別するというものです。このアルゴリズムを確立するのに、研究チームは沿岸警備隊の協力を得てヘリコプターからカメラのテストを実施し、また収集した画像からゴミを検知するための機械学習コンピュータープログラムを訓練しました。こうしたシステムにより、カメラを搭載したドローンを海岸上空で飛ばすことで広範に「ゴミの見回り」ができるというわけです。ゴミを検知した場合、その場所をマッピングし、さらにはそうしたデータをもとに、スタッフはゴミが最も多くあるポイントに足を運んで除去作業ができます。
チームはすでにオレゴン州の海岸でテストを実施済みで、早ければ今夏にも現場に導入する計画です。
米国立沿岸海洋科学センター
(文・Mizoguchi)