そしてこのたび、最大およそ500kmの遠隔地からロボットに作業指示を行う「リモートロボット操作システム」の技術実証試験を2件実施し、ともに成功したことを発表しています。
成功した2つの実証試験
今回の実証試験では、公衆回線を通じ、遠隔地から川崎重工製ロボットに作業指示を出しました。1件目は、川崎重工グループの株式会社アーステクニカが運営する大型金属部品の研削・研磨を行う八千代工場(千葉県八千代市)と、リモートロボティクス本社(東京都港区)および川崎重工明石工場(兵庫県)をつないで検証を実施。
作業者がPCなどから八千代工場内の川崎重工製ロボットシステムに接続し、研削対象物の形状測定や研削範囲の指示を行うと、ロボットは遠隔指示通りに研削作業を遂行したとのことです。
2件目では、川崎重工播磨工場(兵庫県)と作業者の自宅など(東京都)をつなぎました。作業者は、播磨工場のリサイクル用ビン選別システムに接続し、コンベア上を流れるビンの画像からビンの色や重心位置を判断して選別すべきビンの取り位置を遠隔指示。ビン選別システム内の川崎重工製ロボットは、指示通りの位置でビンをピッキングしたといいます。
すべての人々が社会参加できるリモート社会を目指す
リモートロボティクスは、時間や場所の制約がない働き方を提案し、すべての人々が社会参加できるリモート社会の実現を目指す企業。川崎重工業とソニーグループのロボティクス技術やセンシング技術、各種AI技術などを活用したサービスを提供していく構えです。現段階で打ち出しているのは、事業者とリモートワーカーをつなぐプラットフォームサービス事業。今回のような遠隔地から現場のロボットに作業指示を出せるリモートロボットプラットフォーム構築を目指しています。
たとえば、身体的に負荷が高く危険も伴う製鋼現場において、スキルを有するワーカーがリモートロボット操作システムを用いることで、安全確保と生産性向上に貢献できるというわけです。
今回の検証では、リモートロボット操作システムの基本的な機能を確認するとともに、公衆回線を経由することによる指示の遅れ時間などの基礎的なデータを取得。今後は、実用化に向けた開発と機能の拡充を進め、社会ニーズにマッチする活用可能性を模索していくとのことです。
PR TIMES
リモートロボティクス株式会社
(文・Higuchi)