道路の混雑状況にかかわらず、緊急時・災害時における即時のオンデマンド輸送や、日常的に医薬品を届けられる社会の実現を目指します。
ドローンによる日常的な医薬品配送を目指す
本実証実験は、「東京都におけるドローン物流プラットフォーム社会実装プロジェクト」として行われるもので、本年度を目途に法施行が予定されている「有人地帯における補助者なし目視外飛行(レベル4飛行)」 を見据えています。今回検証するのは、「品質管理」「配送回数」「オンデマンド配送の実現性」の3つ。国が定める「ドローンによる医薬品配送に関するガイドライン」に基づき、配送中の温度変化や固定状況などの品質を検証するほか、1機体につき1日当たりの配送可能回数や発注から納品までの所要時間とプロセスを検証します。
飛行ルートには隅田川上空を選定。人口約1,400万人を抱える世界でも有数の人口集中地区である東京都内での飛行に向け、リスクを最小限に抑えるために選ばれました。
株式会社メディセオ 新東京ビルから学校法人聖路加国際大学 聖路加国際病院への配送を想定し、ドローンが隅田川大橋付近(A地点)から佃大橋付近(B地点)にかけて、3つの大橋を横断しながら、隅田川上空を約2.0km飛行します。
JALとKDDIの知見を活用
本実証実験は、これまでJALが培ってきた空の移動に関わる運航・安全ノウハウと、KDDIの運航管理システムを活用。JALは、これまでも医薬品輸送に関する多数の取り組みを実施。人口集中地区である兵庫県洲本市での医薬品配送を想定した実証実験や、株式会社メディセオとのドローンを活用した医薬品輸送に関する共同検討を進めてきました。
そして、KDDIは、モバイル通信に対応したスマートドローンが、人間に代わって荷物を運んだり、建設、農業、インフラ、災害の状況をリアルタイムに把握したりするサービスを提供しています。
本実証実験を通じて、より実生活に近い運用性・ビジネス性を検証し、ドローンの社会実装に貢献していくとしています。
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(文・和泉ゆかり)