そんな夢を叶えるSF的な乗り物を実際に開発しているスロバキアのスタートアップがこのほど、同国の運輸当局から耐空証明を取得したと発表しました。実用化に向けて大きな前進です。
200回超の離着陸
デュアルモードのクルマ「AirCar」の開発を手がけているのは、Klein Visionという航空スタートアップです。発表によると、同社は欧州航空安全機関の基準に沿って70時間の飛行テストを実施し、操縦性や性能を確認しました。テストでは200回超の離着陸も行い、なかにはパイロットが操縦装置を触ることなく行えた離着陸もあったとのことです。
折りたたみ式の翼
使用したプロトタイプは重量1000キロの2人乗りで、スポーツカーに翼をつけたようなデザイン。BMW製の15KW電動エンジンを搭載しています。公開されているビデオを見ると、飛行しているプロトタイプは遠目には飛行機ですが、ズームされた姿をよく見るとタイヤ4つを備え、まさに空飛ぶクルマです。
そして何と言っても圧巻なのは、着陸シーン。陸地に滑り込んで停止すると、それまで広げていた両翼や尾翼がスムーズに折り畳まれ、あっという間にクルマに変身します。そして実際に道路を走行することができます。
今回取得したのは耐空証明で、航空機として強度や構造が基準に適合していることが認められたことになります。同社はまた、新しい生産モデルの認証を12カ月以内に取得するとして、生産モデルまで認められればAirCar「テイクオフ」に向けたプロセスが今後、加速度的に進むかもしれません。
Klein Vision
(文・Mizoguchi)