順調に市場を拡大してきた同社は2021年2月、はなびらたけを「ホホホタケ」としてブランド化。2025年までに売上高を10億円へ引き上げ、中核事業に育てることを目指しています。
そしてこのたび、シンガポール・香港・マレーシアへ向け、毎月計約400パックの輸出を開始。今後もアジア諸国など海外への販路を拡大すると発表しました。
高度な生産管理技術が育んだ「ホホホタケ」
「はなびらたけ」は、標高1000mを超える高山のごく限られた環境でしか育たないため、“幻のきのこ”と言われています。花のような美しさとコリコリの食感などが特徴で、さまざまな料理と相性が良いようです。同社は、電球製造で培った生産管理技術を生かし、温度・湿度・二酸化炭素などを緻密に制御することで高品質な栽培を実現。2018年に独自の栽培ノウハウを確立し、安定供給ができる体制を整えました。これにより、市場・仲卸業者・食品スーパー・料亭などから高い評価を得ているといいます。
現在、「ホホホタケ」とその根元部分でいい出汁が出る「ホホホの子」を販売中。静岡県内の飲食店や道の駅、小中学校の給食などに提供し、都内でも「浅草今半」や「ホテル椿山荘東京」などに提供しています。
また、真牡蠣の旬に合わせ、石川県穴水町岩車で能登牡蠣を生産・販売する河端水産と連携し、ホホホタケと牡蠣のセット販売も展開中。今後は、販売促進と認知拡大向上を目指し、地方の特産品と連携したセット販売などを計画しているようです。
そしてこのたび、「ホホホタケ」がアジア3カ国へ。シンガポールでは日本料理店、マレーシアではフランス料理店、香港では高級食材をそろえる「City'super(シティ スーパー)」で取り扱われるようです。
きのこ栽培の背景と歩み
同社は、1967年の創業以来、国内外の自動車メーカーにウィンカーやテールランプなど合計数十種類の自動車用電球を提供してきました。月間生産・販売数は約1000個に上り、年間約20億円を売り上げていたといいます。なお、現在までに出荷した電球は約50億個とか。しかし、業界を取り巻く環境変化と自動車電球のLED化に伴い売上が減少傾向であったため、新規事業を検討。結果、自動車産業でのノウハウを生かし、厳しい製造・品質管理体制のもと、衛生・温湿度・手順・品質・発送など厳格管理基準に沿った「ホホホタケ」の生産体制を確立しました。
そして2015年から稼働している川根生産拠点に加え、その10倍の生産性を見込める落合生産拠点を2020年に新設。落合生産拠点では月間最大6万パック(80グラム/1パック)の安定出荷が可能とのことです。
2018年度に150万円だった「ホホホタケ」の売上は2020年度に2000万円弱まで上昇。2021年度は3000万円を、2022年度は1億円の売上を目指すといいます。
PR TIMES
「ホホホタケ」公式サイト
(文・Higuchi)