2021年11月~2022年3月を第1フェーズとし、新たなPRO(患者自らの評価や症状の訴え)抽出のために有効な対話シナリオを検証しています。
共同研究の意義
同研究では、患者自身が表現しきれない潜在的な症状の訴えを、コミュニケーションロボットとの対話データから収集。言葉にできない症状を可視化し、調査票などからはわからない新たなPROとして活用していこうというのです。医師は、患者の潜在的な症状を把握することで、より円滑なコミュニケーションを実現できるといいます。患者側も、うまく伝えられない症状を理解してもらえるという安心感を持てるのではないでしょうか。また、ロボットを通じて得たPROを臨床や研究開発に活用することによる、新たな解決策の創出が期待されています。
PROを抽出できる対話シナリオを研究中
上記のような、円滑なコミュニケーション、患者の安心感、研究への活用を実現するには、まず対話データからPROを抽出しなければなりません。そのためにフェーズ1では、コミュニケーションロボットとしてTISのAIチャットボット「DialogPlay」を試験的に活用し、実現可能性を検証しています。具体的には、調査票などをもとにした対話シナリオの作成。そのシナリオをもとに音声認識と音声合成を介し、「DialogPlay」が患者との対話を進めます。そのなかで対話データからPROの抽出を試み、データの精度向上に向けた対話シナリオの見直し・補正を実施するとのことです。
今回活用されている「DialogPlay」は、業務に特化したチャットボットを作成できるプラットフォーム。あらかじめ登録したシナリオで自動応答し、状況に応じてFAQ対応やオペレーターへの接続などを行います。
大きな特徴は、エンドユーザーの発言例を登録することで学習し、エンドユーザーの発言と業務シナリオとひも付けて最適な対応ができること。また、メッセージアプリやWebチャットなど多様なチャネルで公開できるのもポイントでしょう。
PR TIMES
「DialogPlay」サービスサイト
(文・Higuchi)