直近2年間は新型コロナの影響で控えめになっていた採用活動を再開する企業が多いと予想されています。また、コロナ禍で変化した働き方やサービスへのニーズなどを反映するかのように、さまざまな業種・職種において求人枠が増える可能性もあるようです。
これらの予測を踏まえ、doda編集長の喜多恭子氏は、「2022年上半期の転職市場には、転職のチャンスを広げる“追い風”が吹いていると言えるでしょう」と述べています。
今回は、公開された市場予測から注目トピックをまとめてみました。
コロナで変わったビジネスへのニーズが採用に影響?
ITエンジニアについては、アプリ系・インフラ系ともに増える見込み。即戦力採用はもとより、事業会社の委託先となる企業では未経験者の採用枠も増加傾向にあるといいます。なかでも、クラウド環境やセキュリティ課題に対応できるクラウドエンジニアやセキュリティエンジニアが求められるということです。なお、AWS・Azureなどクラウド関連の資格は注目スキルだといいます。また、Web業界ではWebデザイナーなどクリエイティブ職の求人が増える見通し。これは、コロナ禍で進んだDXが今後も継続することを見据えた企業の採用活動から予測したものです。クリエイティブ職には、リモート環境でのパフォーマンスなどが求められるといいます。
さらに、コロナ禍の流れを継続するであろうオンラインサービスも、採用の幅を広げる見込み。オフラインと並行してオンラインでもサービスを展開するうえで、企画・マーケティング人材へのニーズは高まるものと予想されています。加えて、管理部門の体制強化を実現する経理人材や多様化する採用業務を担う人事担当者などの採用も増える見込みです。
SDGsへの取り組み加速で……
近年、採用活動にも影響しているというSDGsへの取り組みは、今後も加速するものとみられています。これに伴い、採用ニーズにも変化が生まれるとのこと。たとえば「脱炭素社会」を目指す自動車メーカーでは、電池関連の設計職や開発エンジニア、電池を構成する材料開発の研究職などのニーズがより高まるとされています。また、「カーボンニュートラル」を見据える化学・素材メーカーでは、CO2回収やバイオマス材料の研究・開発職の採用が活発化する見通しです。
1月~3月が狙い目?
この予測からすると、2022上半期は多様性のある活発な採用活動が展開されることになるでしょう。ちなみに、1年のなかで最も採用が活発になるといわれる1月~3月は、転職活動のチャンスが広がる時期とされています。余談ですが、先日ヤフー株式会社が、4月より人事制度「どこでもオフィス」を拡充すると発表しましたね。通勤手段の制限緩和、居住地の拡大など、社員一人ひとりのニーズにあわせて働く場所や環境を選択できる体制を整えるとのことでした。この狙いのひとつに、“居住地域に左右されない優秀な人材の採用”というものがあり、より柔軟な採用活動に踏み切ったことが伺えます。
PR TIMES
「転職市場予測2022上半期」詳細
ヤフー株式会社
(文・Higuchi)