「Roombots」はモジュラーのピースになっていて、自力で動く上、ユーザーのニーズに応じて、さまざまな家具の形に変化するという。それぞれのモジュラーピースは、およそ大きさが22センチメートル程度、手のひら大サイズくらいのサイコロのような形状をしている。
各ピースにはワイヤレスバッテリーが内蔵されていて、ワイヤレスの接続機能、回転角度を調節する3つのモーターを保有。またピースには、自由に出たり引っ込んだりする“爪”があり、その爪を使って他のピースにくっつけることができる。ピースを組み合わせたり引き離したり、あるいは違う方向に角度を回転させたりして、多様な形状に変化させられるので、例えばベンチやテーブルなどの形状に組み立てて用いられるというわけ。
研究チームでは、特殊な加工が施されたパネルも開発している。このパネルにはくぼみがあり、これがちょうどピースの爪に適合するようになっている。パネルを家の壁や床、既存の家具などに取り付けることで、ロボットピースがくっつけられるようになる。例えば、リビングにあるテーブルの足にロボットピースをドッキングすれば、「歩くテーブル」にすることができる。
このような“自在に移動可能な家具”は、車椅子利用者が部屋を通行するときに、通りやすいように家具を移動させたり、ある物が必要なときに、向こうから移動してきてくれたり……といったような便利な使い方ができそうだ。
部屋の大きさや間取り、用途などに合わせて、モジュールを自由に変身させられる、非常に“フレキシブルな”家具が実現する。現在、研究チームではENSCI Les Ateliersの学生らと協力し、窓から窓へと移動する花瓶のアイデアや、ライトや音声機能の追加などに取り組んでいるという。
Roombots