しかし、現在、米国のベンチャー企業が開発を進めている「uBeam」は、Qiのさらに先をいった新技術だ。何と、超音波でワイヤレス充電できるのだ。
超音波充電と聞いてもピンとこないと思うが、簡単に言うと何も操作しなくても端末を自動充電できるというもの。専用機器に接触させたりすることなく、室内でただ机の上に置いていたり、通話したりしながら勝手に充電される。
■超音波に変換された電力を自動受信
もちろん、仕掛けはある。この技術の鍵となるのが充電ステーションで、部屋の壁などに設置する。ステーションでは電力が超音波に変換され、そこから発せられた超音波を携帯端末が受信することで充電されるという仕組みだ。
つまり、充電ステーションがある部屋では電力が室内空間を飛び、常に端末に電力が送られている状態になる。ただし弱点もある。それは、壁越しには電力を送れないこと。なので、この技術を家中で使いたい場合は、複数のステーションを各部屋に設置する必要がある。
■プロトタイプはすでに完成
気になる開発の進捗だが、同社はこのほどプロトタイプが出来上がったと発表した。かなり近い将来、一般消費者と企業向けに商品化する見込みという。
もし、この技術が商用化されて例えば公共の場や商業施設で広く導入されれば、ユーザーはバッテリーの残量を絶えず気にする必要はなくなる。これは、モバイル業界において近年にない画期的な技術と言えるのではないだろうか。
uBeamには米Yahoo!のメリッサ・マイヤーCEOや大手ベンチャーキャピタルも資金を提供していることからも、この新技術の有用性が伺える。ケーブルにつないでの充電が“オールドファッション”になる日はそう遠くないかもしれない。
uBeam