そこで、不法投棄パトロールを支援・補完できる新たな監視方法の構築を図ることを目的に、「ひろしまサンドボックス」の実証プロジェクト(行政提案型)として、広くソリューションを募集。その結果、株式会社Ridge-i(リッジアイ)が採択され、2021年9月より実証実験を行っています。
リッジアイの実証プロセス
リッジアイはまず、電波の反射を利用するSAR衛星のデータと光学衛星のデータをAIで解析し、不法投棄などの可能性があるエリアを検出。次に、SARデータから検出した場所について、どのような環境でどんなゴミがどれくらいの規模で放棄されているのかを検証します。同時に、光学衛星で検出した森林指数の増減と不法投棄などが行われる場所の関係性も洗い出し、環境・種類・規模についても検証するようです。これらの検証と巡回担当者の意見などを踏まえ、不法投棄などの発生箇所を網羅的に把握し、巡回監視業務の効率化を図る方針。なお、2022年3月に衛星データによる不法投棄自動検出の検証結果の報告を行う予定です。
衛星データとAIで課題に挑む、リッジアイ
リッジアイは、AI・ディープラーニング領域でさまざまな課題解決をサポートする企業。特に、衛星画像とAIを活用した自然災害・社会活動などの環境リスクの可視化に関しては、衛星画像活用の相談からAIによる高速・高精度の解析エンジンの提供、共同研究開発パートナーシップなどワンストップで提供しています。2021年7月には、夜間や屋外でも高精度かつリアルタイムに人数測定ができる「Ridge Count」のEDGEMATRIX版をリリースし、株式会社NTTドコモに提供。翌8月には、さくらインターネット株式会社およびakippa株式会社と共同で、衛星データとAI画像認識技術を活用して新規駐車場用スペースを自動検出する駐車場検知ツール「Tellus VPL」を開発し、α版をリリースしています。
また、JAXAより受託した土砂崩れ解析ディープラーニングでは、衛星データとAIを活用し、北海道胆振東部地震により土砂災害が発生した地域を高速かつ高精度(Mean IoU 80%超)で検出。これにより、第4回宇宙開発利用大賞経済産業大臣賞を受賞しています。
PR TIMES
株式会社Ridge-i
(文・Higuchi)