ワークラボ函館を舞台に12月20日(月)まで行われる同実証は、バイタルデータと働き方に関する業務データを収集し、一人ひとりにとって異なる「最適な働く環境」を客観的なデータとして把握することを目指します。
集中や緊張、興奮などを計測して客観的に可視化
今回の実証実験は、脈拍などのバイタルデータから客観的に人間の心的情報を把握する試み。個々人がどのような業務をどのような場所で行えば、もっとも集中、あるいはリラックスして効率的に働けるのかを検証します。
NTTPCの「みまもりがじゅ丸」を活用し、集中の度合いやこころの前向きさなどのデータを取得。さらにエプソンの「Epson View」で、緊張や興奮など自らの心の状態に関する情報を計測します。
前者はラインケア、後者はセルフケアの観点から現在もすでに活用されているサービスです。両者から収集した心的な情報と、被験者の業務データを組み合わせて可視化することで複合的な分析を目指します。
NTTPCは今後の展望として「今回の実証実験の検証結果を踏まえ、さまざまな環境で働く参加者を増やし、さらにデータを蓄積し精度を高めることで、商用化・サービス化の検討をしてまいります」と述べています。
データで働き方を変えたい
この実証実験の舞台であるワークラボ函館は、新たな「ワークスペース」=「働く人が活躍する空間」の創出を行う場所。2020年にNRMが設立し、「働く空間」から生まれる「データ」で「働き方」を変え、「働く」に関わる人の幸福度を上げることを目的としたラボラトリーです。NRMの独自運営ながらも、はこだて未来大学と共同で研究を進めているほか、函館市とも連携協定を締結しています。
ハード・ソフト両面の技術向上から、バイタルデータを活用した IoT デバイスやそれを利用するサービスが市場で頭角を現しています。医療機関から個人まで幅広い利用が予見される昨今。今後の動向に注目です。
PR TIMES
(文・川合裕之)