NFT化した本染めと型紙
「琉球びんがた」は、沖縄県の代表的な伝統的手染物で、高いデザイン性が魅力のひとつです。しかし、高齢化や職人の減少に伴い、職人の技術・技法、それらを可能にした道具などは伝承されづらく、産地の衰退とともに消えつつあるといいます。そんな状況を解消すべく誕生したのが「琉球びんがたNFT」。びんがたコンソーシアムがデジタルアーカイブしている約1,000点の「琉球びんがた」の本染め・型紙のデザインデータをピハナコンサルティングのサポートによってNFT化し、販売します。
このたびNFT化した「琉球びんがた」のデザインは、琉球王朝の時代から数百年続く紅型三宗家のひとつ「知念紅型研究所」のもの。販売されている型紙のNFTは、思わず凝視してしまうほどの緻密な模様が強いインパクトを放っています。一方、本染めはというと、華やかでありながら落ち着いた色彩が印象的で、浮かび上がる美しいデザインからは気品のようなものを感じました。
「琉球びんがたNFT」の狙いと今後の展開
「琉球びんがたNFT」は、こうしたNFTの販売にとどまらず、伝統継承と工房の収益向上を目指した取り組みも展開する見込み。具体的には、デザインデータを使った商品の開発・販売の推進、工房への視察が可能な権利を付与したNFTの販売などを検討しています。また、唯一無二のデジタルデータであることを証明するNFTを活用することで、これまで他所で勝手に使われていることも多々あった「琉球びんがた」デザインのライセンス管理を是正し、職人の技術に対して正当な対価が得られる仕組みを構築していくとのことです。
PR TIMES
「琉球びんがたNFT」(型紙)
「琉球びんがたNFT」(本染め)
(文・Higuchi)