処理速度20分の1を実現
ArchiTekは、さまざまな用途に応えられる柔軟性・小型・低消費電力を実現する独自のアーキテクチャを搭載した、エッジAIプロセッサ「AiOnIc®」を開発中。「AiOnIc®」の大きな特徴は、画像・音声処理や推論AIをスマートに実行できるということでしょう。2018年には、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発/革新的AIエッジコンピューティング技術の開発/進化型・低消費電力AIエッジLSIの研究開発」に採択。この事業において、2020年にNEDO、株式会社ソシオネクスト、株式会社豊田自動織機と共に、進化型・低消費電力AIエッジLSI(半導体チップ)を試作しました。そのLSIを評価した結果、リアルタイムSLAMの自己位置推定処理時間について20分の1を実現しています(汎用CPUとの比較)。
このAIエッジLSIを普及させることで、低消費電力・低遅延・低コストの要件を満たすエッジコンピューティングシステムの構築が可能となるため、急増するデータの高度な利活用およびDXの促進が期待できるでしょう。
LSIの量産に着手
また同社は、量産化に向けた試作LSI「beppu」を2020年に開発。2021年度に「beppu」を搭載した「AiOnIc®カメラキット」を開発し、カメラキットによるAI機能(動体検知、人数カウントなど)の実証実験を実施しています。この検証結果をアプリケーション開発キットの開発に活用し、パートナー企業における同社プロセッサの導入に向けた実装環境を整備していくとのこと。同社は、「CES2022」への出展を皮切りに、量産LSI「chichibu」の開発に着手するとともに、グローバル市場でのビジネスを加速していく構えです。
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(文・Higuchi)