再生燃料を混合した燃料を使ってのフライトはありますが、100%再生燃料による旅客機運航は世界初とのことで、ジェット燃料脱却に向けた大きなステップとなりそうです。
115人が搭乗
100%再生燃料によるフライトは12月1日に運航されました。シカゴ・オヘア空港からワシントンDCのロナルド・レーガン空港への便です。使用機材はボーイング737 MAX 8。エンジンをSAF(持続可能な再生航空燃料)のみで動かして飛行しました。乗客は115人で、ユナイテッド航空や、エンジンを手がけるGE AviationのCEOも乗り込みました。この画期的なフライトについてユナイテッド航空のスコット・カービーCEOは「航空産業の脱炭素化で大きなマイルストーンであるだけでなく、大きな課題の解決で企業が共に取り組むことができる、スケーラブルでインパクトのある方法であることを示しています」と述べました。
実用性を証明
米国材料試験協会が定めた基準では現在、航空機に使用するSAFは従来のジェット燃料と最大50%の混合が認められています。しかし今回のフライトでは機材に1893リットルのSAFと共に同量の従来燃料も積み込まれたものの、飛行そのものはSAFでのみで行われ、SAFの実用性を示すフライトとなりました。エンジン開発を担っているGE Aviationによると、SAF使用のためにエンジンに手を加える必要はなく、つまり既存の商業航空機にそのまま使え、燃料貯蔵などのインフラへの変更も不要とのことです。
世界の旅客機で使用される燃料におけるSAFの割合は現在わずか1%とのことですが、今後急速に浸透し、全てのフライトがエミッションフリーになってほしいものです。
GE Aviation
(文・Mizoguchi)