この長年解決していない在庫課題に立ち向かうのが、フルカイテン株式会社。過不足のない在庫で売上・粗利・キャッシュフローを最大化する在庫DXクラウドサービス「FULL KAITEN」を小売業・卸売業向けに提供しています。「FULL KAITEN」は、2021年4月に新バージョン3.0にアップデートされ、今回新たに「追加発注機能」が追加されました。
6つの機会損失をワンストップで解消
まずは、「FULL KAITEN」について簡単に紹介しておきましょう。最大の特長は、需要予測だけに頼らないという点です。需要予測は、発注時点で重要となるデータですが、この予測が外れてしまうと、欠品や売れ残りが発生するという欠点があります。そこで「FULL KAITEN」では、納品後の商品の在庫リスクを抑制し、欠品・売れ残りの防止ひいては売上・粗利の増加を目指そうというのです。
「FULL KAITEN」が着目したのは、在庫リスクに関係する6つの機会損失。それが「値引き」「販売単価ロス」「売れ残り」「店舗在庫の欠品」「倉庫在庫の欠品」「旬の見逃し」です。同サービスでこの6つの機会損失をワンストップで解消し、売上・粗利・キャッシュフローの最大化を実現します。
特徴的な機能のひとつが「ディストリビュート分析(在庫移動)」でしょう。これは、売れる商品を売れる店舗に過不足なく配置(再分配)することで、会社として(全店トータルで)店舗在庫の欠品による機会損失を大きく減らすことができ、値引きの抑制にもなる機能です。
この他、すべての在庫をSKUごとに”売れ残りリスク”と”未来の売上貢献度(粗利益貢献度)”の2軸で評価する「クォリティ分析」、平均客単価を向上する販促施策を提案する「単価分析」、前年実績や統計とのギャップを算出し各店で販促すべきSKUを抽出する「ギャップ分析」などの機能も実装しています。
強化された追加発注機能
そんな「FULL KAITEN」は、前バージョンであるバージョン2.0の時代から、売れる商品に絞って的確な数量を追加発注する機能を提供していました。このたびの「追加発注機能」は、この機能を強化したもので、バージョン3.0のオプション機能として提供されます。「追加発注機能」では、現在までの売上実績をもとに今後の販売数量をAIが予測。このとき、納品リードタイムの間に売れると見込まれる数量まで考慮するというのがポイントです。AIが導出した販売予測数と全社在庫数(手もと在庫数)を比較し、その差を算出することで最適な追加発注をサポート。手もと在庫数に、発注残(発注済みで納品待ち)の数も加えて計算するというのもポイントでしょう。
バージョン2.0では、発注先ごとの追加発注に対応していましたが、バージョン3.0では、アイテム別・サイズ別・シーズン別などのグループごとに追加発注ができるようになっています。
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(文・Higuchi)