実験の概要
同実験では、センシンロボティクスとACSLが共同開発した業務自動化統合プラットフォーム「SENSYN CORE」と、ACSLの国産ドローンMiniを用いた屋内自律飛行システムを活用しています。「SENSYN CORE」は、ドローンやロボットの経路計画、自律制御、AI解析、データ管理などの機能を有するプラットフォーム。今回は、「SENSYN CORE」で実際の現場のBIMデータを活用した飛行経路策定と自動飛行を行いました。使用したドローンは、ACSL独自の画像処理技術を活用した自己位置推定技術(Visual SLAM)により、室内や工場内などの非GPS環境でも自律飛行が可能な機体。加えて、ジンバルに搭載した2,000万画素のカメラにより高精細な画像が取得できるといいます。
同実験においては、フロア1階から2階への自動飛行を達成。2メートルの幅の経路や障害物がある狭い経路も安全に飛行できました。また、ガラス面や外光の影響など実際の運用環境に近い試験でもVisual SLAM性能を担保できたとのことです。
建設現場でのドローン自律飛行の課題
通常、屋外を飛行するドローンはGPS信号を受信していますが、非GPS環境となる屋内などではSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)といわれる自己位置推定と地図生成技術が必要となります。SLAMを実現するには、カメラで特徴となる点を認識することで飛行用地図を作成し、自己位置を推定するのが一般的です。しかし、日々環境が変化する建設現場においては、目印のタイムリーな設置が困難なことや、飛行ルートを図面で可視化できないことなどから、手動操作による安全巡回や現地確認が行われてきました。今回の実証の成功は、現場の巡回のリモート化や業務負担軽減などにつながる結果と言えるでしょう。
PR TIMES
株式会社センシンロボティクス
株式会社ACSL
(文・Higuchi)