ある意味、プリペイドの料金プランに近い形で、ユーザーが自分に合わせて料金をカスタマイズできる点はオンライン専用の料金プランならではです。
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KDDIが9月に導入したpovo2.0。基本料0円やトッピングを前提にした新しい料金体系が話題を呼び、ユーザー数が急増している
利用量に合わせた「トッピング」を選択
料金水準は、他社のオンライン専用料金プランに近くなっていますが、バリエーションは多彩です。データ容量のトッピングには1GB(7日間)、3GB(30日間)、20GB(30日間)、60GB(90日間)、150GB(180日間)の5つと、24時間データ通信が無制限になるものが用意されています。1週間ずつ1GBを買い足していってもいいですし、約6月分をまとめ買いしてもいいというわけです。![](https://techable.jp/wp-content/uploads/2021/11/2-e1637743601377.png)
データ通信のトッピングは、24時間使い放題まで含めると全部で6種類
データ容量以外では、550円の「5分以内通話かけ放題」や、1650円の「通話かけ放題」といったトッピングも用意されています。これらは、データ通信のトッピングを購入する必要なく利用できるため、音声通話専用の料金プランを組み立てることも可能。アプリの操作が必要になるハードルはありますが、電話中心だったシニア世代に合わせた使い方も可能。こうした柔軟性の高さは、povo2.0ならではのポイントと言えそうです。
商品購入時にデータ容量が特典として付いてくる
何らかの商品を購入した際に、データ容量を特典としてもらえるキャンペーンも開催されています。「ギガ活」がそれです。現時点ではローソンやすき屋、ドトールコーヒー、丸亀製麺といったショップがギガ活に対応しており、au PAYにあらかじめau IDを紐づけておくと、決済時に500円につき300MBのデータ容量がプレゼントされます。サロモンやリーボックのように、決済手段を問わずにデータ容量をもらえるショップも用意されています。![](https://techable.jp/wp-content/uploads/2021/11/3-e1637743621444.png)
特定の店舗で一定額以上の買い物をすると、プロモーションコードがメールで届く。au PAYを必須にしている店舗が多い
KDDIの思惑とは
こうした仕組みが受け、利用者は先代のpovo1.0と合わせて100万契約を突破しました。KDDIの代表取締役社長、高橋誠氏によると、開始から1カ月で10万契約以上を上乗せできたとのこと。高橋氏は「非常に順調に立ち上がっている」と自信のほどをうかがわせました。オンライン専用プランとして、他社と差別化を図れたことも奏功したようです。![](https://techable.jp/wp-content/uploads/2021/11/4-1-e1637743629773.jpg)
povo2.0を好調だと語るKDDIの高橋社長
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povo2.0は、同じ0円スタートの楽天モバイルに対抗するために生まれたという
とは言え、当初加入しているのはアクティブなユーザーが多く、「2、3週間すると、大体2/3から3/4ぐらいがトッピングをつけている。ARPU(1ユーザーあたりの平均収入)はUQ mobileより高いぐらい」(同)と、収益的にもプラスになっているようです。ただし、お試し感覚のユーザーが増えていけば、ARPUは徐々に下がっていく可能性もあります。ユーザーがいかにしてトッピングを使ってもらうかは、今後の課題と言えるでしょう。
(文・石野純也)