「テクノロジーが発展しすぎた未来社会の犯罪を解決する」というテーマに沿ったデザインを、2021年7月8日~8月31日の期間で募集。そして11月18日に3つの受賞作品を発表しました。
コンペの目的は?
同コンペは、「便利であるはずのテクノロジーは、犯罪にも使われる可能性を持つ“諸刃の剣”とも言えるのではないか? 」という思いに端を発し、デザインの力で未来に発生し得る新たな課題の解決にチャレンジする取り組みです。応募作品は、4名の審査員により、コンセプトのオリジナリティや説得力、テーマに即していて社会にポジティブな影響を与えられるか否か、コンセプトやデザインを発想する際のプロセス(プレゼンテーション)などを評価されました。結果、Gold Awardに1作品、Silver Awardに2作品が選出されています。
主催者は、初回にもかかわらず、多数の応募があったことや作品のクオリティーの高さに驚いたとのこと。全体的にハイレベルな作品がそろう中、アワードに輝いた3作品は一体どんなものだったのでしょうか……。
受賞作品の紹介
それでは、受賞作品を簡単に紹介していきましょう。Gold Awardには、インドネシアの La Myra Bening氏の「PORTA」が選出されました。「PORTA」は、スマートホームデバイスと接続することで、そのセキュリティチェックを行い、異常を検知することができるデジタルゲート。異常を検知すると自動的にWi-Fi接続を終了し、バックアップデータを使って デバイスを制御します。また、音声ベースのパスワードで安全性を高めているのもポイントでしょう。
この作品は、スマートホームがもたらす快適さによって、人々の危険に対する直感が鈍り、周囲の状況や環境の異常に気づきにくくなるという危険性を回避するというコンセプトのもと制作されたとのことです。
Silver Awardのひとつは、インドのArnav Nigam氏の「Glass - A Future Interface」。これは、ブレイン・マシン・インターフェイス、AI、デジタルツインの発想に基づく、データの盗用や外部からのハッキングを防ぐためのソリューションです。また、脳波からデバイスに直接シグナルを送ることで、シームレスなデジタル体験を提供します。
もうひとつは、インドのVinay Sudhakaran氏ら3名で構成されるQGene Solutionsの「QGene」。これは、DNAをベースにしたポリモーフィック・タトゥーです。皮膚に貼ることでDNAと主要な行動特性を抽出し、ゲノム配列に基づいて、独自の「デジタル遺伝子」となるデジタルマトリックスが生成されるため、デジタル世界での認証に活用可能。現在の認証技術に取って代わる可能性を秘めている作品です。
PR TIMES
「i-PRO Future Design Challenge」公式ページ
(文・Higuchi)