二酸化炭素の排出削減量や吸収量を取引するカーボンクレジット市場は今後拡大することが予想されています。しかしNbSについては、その恩恵の計測とレポート作成にコストと時間がかかるだけでなく、データが不正確な状況。カーボンクレジットの価値がわかりづらくなっています。
こうしたなか、ケンブリッジ大学のカーボンクレジットセンター(Cambridge Centre for Carbon Credits:4C)は、ブロックチェーンを活用して、NbS関連プロジェクトの分散型市場を構築しようとしています。
信頼できるカーボンクレジット市場を構築
分散型市場では、カーボンクレジット購入者が直接、信頼できるNbS関連プロジェクトに資金を提供できます。資金の流れを作り、NbS関連プロジェクトの数を指数関数的に増やすのが4Cの目標です。システムにブロックチェーンを活用するメリットは運営主体が携わらなくても持続的に稼働し、すべてのトランザクションが検証可能なこと。エネルギー効率の高いテゾスブロックチェーンを採用しています。
コンピューターサイエンティストと環境保護科学者コラボの場を作る
センターは、システム開発にあたってコンピューターサイエンティストと環境保護科学者を結びつける役割を担います。具体的には、コンピュータサイエンス&テクノロジー、動物学、植物科学、環境リスク研究のための人工知能といった領域の研究者に資金提供し、信頼を担保するメカニズムの開発を進めるとのこと。とりわけNbS関連プロジェクトにおいて、カーボンクレジットが追跡できるメカニズムは、新たな資金の流れを生むきっかけとして機能しそうです。
参照元:Cambridge-built carbon credit marketplace will support reforestation/ University of Cambridge
(文・山田洋路)