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新生児の黄疸を早期検出して治療につなげる画像診断システムを豪とイラクの研究チームが開発

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生まれたばかりの赤ちゃんに多少の黄疸がみられるのは珍しいことではありません。多くの場合、生後数日をピークに消えていきますが、中にはそうでないこともあります。

そうした病的な黄疸をいち早く検知して治療につなげるシステムをオーストラリアとイラクの大学のエンジニアチームが開発しました。カメラでとらえた映像をすぐさま独自開発のソフトウェアで処理し、病気の黄疸を検知すると同時にLEDライトの照射が始まるというものです。

1秒で正確に診断

黄疸の原因はビリルビンという赤血球の中に含まれている物質で、新生児は肝臓がまだ十分に機能していないなどの理由でビリルビンをなかなか体外に出せず、結果として皮膚が黄色がかった色になります。生理的な現象ですが、中には貧血や血液疾患などによって黄疸が出るケースもあります。

そうした病的な黄疸を早期に検知するため、南オーストラリア大学とイラクのミドルテクニカル大学の研究チームはデジタルカメラで赤ちゃんをモニターし、そのデータをリアルタイムに処理するソフトウェアを開発しました。このソフトウェアではものの1秒で正確に黄疸を診断できるとのことです。

そして病的な黄疸が検知された場合、すぐさまLEDライトによる照射が自動的に始まり、と同時に看護師らに通知がいくようになっています。

低コスト

LEDライトを照射するのはビリルビンを分解することができるためで、光線療法は最も一般的な治療だといいます。黄疸は放っておくと脳へのダメージや難聴などにつながる可能性があり、これを防ぐためには早期の発見と治療が欠かせません。

研究チームによると、設備や経験のある医療スタッフが足りない発展途上国などで黄疸のケースは多くみられます。皮膚の色に関係なく機能することがテストで確かめられたこのシステム。コストは比較的安く、研究チームは世界中で活用できる、としています。

南オーストラリア大学

(文・Mizoguchi)

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