海外・国内のベンチャー系ニュースサイト | TECHABLE

TECHABLE

Tech 身体は嘘をつかない? 脳波などから顧客向けデザインの効果を可視化

Tech

身体は嘘をつかない? 脳波などから顧客向けデザインの効果を可視化

SHARE ON

このエントリーをはてなブックマークに追加
凸版印刷株式会社と株式会社NeU(ニュー)は、2020年より、実際の脳活動の見える化技術「fNIRS(機能的近赤外分光法)」やアイトラッキングなどによって人間の生体信号反応を計測し、認知脳科学の視点から、どのような顧客向けのクリエイティブがより効果的かを研究してきました。

そしてこのたび、共同研究結果をもとに「興味」「好ましさ」などを生体信号で定量化し、顧客に最適なデザインの開発をサポートする「ニューロデザイン®」評価サービスを開発、提供を開始しています。

生体信号から潜在意識を読み取る

生体信号とは、心拍・脳波・脈拍・呼吸・発汗などの生体現象によって体内から発せられる信号のこと。同サービスでは、クリエイティブを見たときの各種生体信号を計測し、定量的なスコアとして評価することで、従来の調査手法である主観アンケートだけでは見えなかった潜在的な情報を得ることができます。

現在、同サービスでスコア化できる評価指標は「興味」「記憶」「注目」「好ましさ」「読みやすさ」など。その中で、「好ましさ」「読みやすさ」の指標については、共同研究で取得した6,000以上の生体信号データからの機械学習により新たに開発・実用化したクリエイティブ評価AI指標です。なお、「好ましさ」の予測精度(正答率)は約80%を記録したといいます。

同サービスの流れは、クリエイティブの目的を明確化するヒアリングにはじまり、目的に合わせた評価項目の検討・設計、数パターンのデザイン作成、評価項目のスコア化、実査結果レポートおよび改善方法のコンサルティングというもの。要望があれば、改善デザインを制作し、さらに実査を重ねることも可能です。

脳科学カンパニー、NeU

同サービスの開発において認知脳科学に基づくコンサルティングや評価AIモデル開発を担当したのがNeU。同社は、国立大学法人東北大学と株式会社日立ハイテクのジョイントベンチャーとして2017年8月に設立されました。東北大学の「認知脳科学知見」と、日立ハイテクの「携帯型脳計測技術」を融合し、脳科学の知見と技術を軸に脳科学の産業応用を目指しているようです。

そんな同社が展開しているソリューションのひとつに「ニューロマーケティング・感性評価」というものがあります。これは、生体信号の計測・分析で得た人の潜在意識を、モノづくりやマーケティングに活用できるサービスです。

例えば、車の乗り心地や飲料の味わい、空間の印象など、言葉にしづらい感覚を脳の反応から可視化したり、教育教材やエクササイズなどの効果を分析したりすることで、より客観的評価に基づく研究開発や商品企画が実現するといいます。

また、脳科学を活用したマーケティングも可能。動画広告やチラシなどのさまざまな広告クリエイティブを、脳活動計測やアイトラッキングといった生体信号計測と既存の主観調査とを組み合わせた手法で評価します。この他、実店舗での「買うつもりではなかった」ものを買ったときの行動調査や、コールセンターなどでの顧客満足度に関わる調査なども請け負っているようです。

PR TIMES
凸版印刷株式会社
株式会社NeU

(文・Higuchi)

関連記事

Techableの最新情報をお届けします。
前の記事
次の記事

#関連キーワード


WHAT'S NEW

最新情報