独自開発のセンサーなどを搭載した車両を走らせ、地図データだけでなく、横断歩道や道路の端、縁石の高さなど道路に関するあらゆる情報を集めるとしています。
さまざまな気象下で収集
自動運転技術の開発は世界中で進んでいますが、人間が介在することなく車が自律的に走行するには、ハードウェアだけでなくソフトウェアも必要です。専用の機器を搭載した自動運転車両は、機器を通じて収集した周囲のデータをリアルタイムに分析することで、人や障害物などを避けながら走行します。そうした自動運転のベースとなるのがマッピングで、各都市で行う必要があります。というのもそれぞれに状況が異なるからです。特に今回Waymoがマッピングを行うニューヨーク市は米国で最も人口密度の高い都市で、行き交う車も多く、また複雑な交差点もあります。
加えて、雨や雪も多いことから、Waymoは「学習する機会となる」としています。具体的には、ひどい雪や大雨の中でのセンサーやカメラの働きを、シミュレーションではなく実際の環境で評価します。
マニュアル運転で実施
マッピングはまずはマンハッタンの一部とお隣のニュージャージー州の一部で、ドライバーが運転して行います。ハイブリッドのChrysler Pacifica5台を使用し、後にゼロエミッション車のJaguar I-PACE数台を加える計画です。同社はすでにサンフランシスコ市やアリゾナ州フェニックスなどで完全無人の自動運転車を走らせていますが、すぐさまニューヨーク市でも展開する、というわけではなさそうです。
サンフランシスコやフェニックスはどちらかというと晴天が多い一方で、前述の通りニューヨーク市の天気は自動運転にとっては手強いものであり、また混雑した道路を車に「理解」させるのは簡単ではありません。ただ、マッピングを行うこと自体は自動運転配車サービスの展開を意識したものと言えそうです。
Waymo
(文・Mizoguchi)