現在は、「EndoBRAIN®」をはじめ「EndoBRAIN®-EYE」「EndoBRAIN®-Plus」「EndoBRAIN®-UC」の4製品を展開。大腸内視鏡診断をAIにより一気通貫で支援することで、医師の診断における負荷軽減に寄与しています。
そしてこのたび、「EndoBRAIN®」シリーズを開発した功績が評価され、開発に携わった5名が、一般社団法人日本医用画像工学会の功績賞を受賞しました。
検査中のさまざまな場面においてAIによる支援を実現
「EndoBRAIN®」は、事前に約60,000枚の症例画像を学習したAIにより、オリンパス製の超拡大内視鏡「Endocyto」で撮影された大腸の内視鏡画像を解析し、検査中にリアルタイムで「腫瘍性ポリープ」または「非腫瘍性ポリープ」の可能性を数値として出力するソフトウェアです。シリーズすべてを活用することで、「EndoBRAIN®-EYE」で病変を検出し、「EndoBRAIN®」で腫瘍・非腫瘍の鑑別、「EndoBRAIN®-Plus」でがんの鑑別、「EndoBRAIN®-UC」で潰瘍性大腸炎の鑑別を行い、大腸内視鏡診断を一気通貫でサポートします。
また、内視鏡検査の際に医師が行う、NBI観察(狭帯域光観察)と染色観察の2種類の観察に対応。検査中のさまざまな場面においてAIによる支援を実現できるといいます。
腫瘍性ポリープの約22%が見落とされている? シリーズ誕生の背景
国立がん研究センターによると、大腸がんは日本の癌において部位別罹患数1位、死亡数2位のがんです。その対策として、大腸内視鏡で早期がんや前がん病変である腫瘍性ポリープを切除することで、大腸がんによる死亡を大幅(53~68%)に減らせることが知られています。しかし、1回の検査当たり腫瘍性ポリープの約22%が見落とされている可能性が指摘され、その原因のひとつにヒューマンエラーによる見落としが挙げられていました。
そこで、ヒューマンエラーによる見落としを低減すべく、サイバネット、昭和大学横浜市北部病院、名古屋大学大学院は、医師による内視鏡検査を補助するAIの研究・開発を2013年に開始。まず開発した「EndoBRAIN®」が、AIを搭載した診断支援機器として初めて、医薬品医療機器等法に基づいたクラスⅢ・高度管理医療機器として承認を取得し、2019年3月にオリンパス社から発売されました。
先述の通り、現在は4製品を展開していて、医師の診断を一気通貫でサポートするソフトウェアシリーズとして提供中。そんなシリーズの開発の功績が評価され、サイバネットの須貝 昌弘氏や名古屋大学 大学院教授の森 健策氏、昭和大学 横浜市北部病院 消化器センター 教授の工藤 進英氏らが功績賞受賞者に選ばれました。
PR TIMES
オリンパス株式会社
(文・Higuchi)