Anthony Driscoll氏は、電動車椅子を利用している父親がNew York Cityを訪れた際、どこに行くにしても非常に苦労し、どうしたら車椅子で到着できるか調べるのに、何時間も費やすことになったという。地下鉄マップは、どのラインがどのように接続されているのか、エレベーターの場所はどこなのかを示してくれるものの、実際にはそのエレベーターは故障したり、使用できないことも多かった。
そこでDriscoll氏は、正確で最新の情報に基づいたビジュアルマップを作成する必要性を強く感じ、「Wheely」というアプリの開発を決意した。「Wheely」は車椅子やベビーカーの人がアクセス可能な、New York Cityの地下鉄マップや方向を案内してくれるナビゲーションツール。
New York City Metro Transit Authority (MTA) から正式にマップ使用の認可を受けており、Google Directionsを基盤として、正確なGPSのエレベーター位置情報や、リアルタイムのエレベーターの状態、エレベーター付近エリアのカスタムマップを表示する。
ユーザーがエレベーターの場所を探しやすいように、スナップショット写真が併せて提示される親切設計もありがたい。また、位置情報のアラートを随時送って、ユーザーの移動をサポートしてくれる。車椅子の人が活用できる小回りの利くマップ情報は、大きな助けになってくれそうだ。
「Wheely」は現在、資金調達プラットフォームKickstarterでキャンペーンを展開中。すでに目標額の5000ドルを上回る資金を集めている。iOSプラットフォームの開発を進めているが、もし10500ドル集まれば、AndroidやWindowsにも対応させ、25000ドル集まった場合には、88のアクセスできる地下鉄駅周辺で、車椅子の人も利用できるレストランやトイレの場所、イベントなどを表示する機能の追加も考えているという。
何せ、このアプリに必要な情報は、チームの人間が実際に地下鉄の駅を巡り、調査した生のデータ。コストがかかっているのは無理はない。彼らの活動をサポートしたい人は、Kickstarterで5ドルでベータテストに参加できるようだ。わが国の主要都市にも、このようなサービスが導入されてほしいものである。
Wheely