参加が許可されたのは21大学による9つのチームのみ(出場できたこと自体が成功)で、優勝したミュンヘン工科大学(TUM)のチームは、賞金100万ドル(約1億1400万円)を獲得しています。同チームによるレーシングカーは、平均時速218kmで走行しました。
レースで通用する自動運転システムをゼロから開発
一般道路の走行と違って事実上ルールのないレースでは、走行中にほかの車両の挙動を予測するのは非常に難しいようです。ドライバーなしで走行するレーシングカーが最高で時速300kmに達するなか、ソフトウェアには素早い対応が求められます。車載のカメラ、LiDARセンサー、GPS受信機、レーダーセンサーから取得したすべての情報を一瞬で分析。ほかの車両が移動する場所を予測して、ステアリングやブレーキの制御を決定します。
世界中の大学が、レースでの自動運転を可能にするAIベースのシステムの開発に取り組みました。
自動運転とADASの開発を促進
STEMの機会を創出し、次世代イノベーターを刺激するIACですが、今回のレースには自動運転と先進運転支援システム(ADAS)の技術開発を促進する目的もあったといいます。TUMのチームマネージャーは、「高速走行下で発生する予測不可能なイベントへの迅速な反応をテストして最適化できたのは大きな収穫で、安全な自動運転車開発への大きな一歩を踏み出せた」とコメントしています。
参照元:TUM wins the Indy Autonomous Challenge/ TUM
TUM Autonomous Motorsport Wins The Indy Autonomous Challenge Powered By Cisco At The Indianapolis Motor Speedway And The $1 Million Grand Prize/ IAC
(文・山田洋路)