さまざまなビジターを受け入れ、「多目的のビジネスパーク」にするとうたっています。2020年代後半にも運用を開始する計画です。
完全に民間運用
現在、宇宙に滞在する施設としては国際宇宙ステーションがあります。こちらは米国や日本、カナダなどさまざまな国の宇宙開発機関が運営に携わっていますが、Orbital Reefは完全に民間企業によるものです。航空宇宙企業のBlue Originはロケットの開発などを手掛けていて、創業者のジェフ・ベゾス氏も自社ロケットで宇宙飛行したのは記憶に新しいところです。一方、Sierra Spaceも宇宙船を開発していて、今回のプロジェクトではそれぞれの先端技術を持ち寄ります。
また、両社が共同でOrbital Reefを建造しますが、BoeingやRedwire Space、Genesis Engineering Solutionsといった宇宙産業をリードする企業やアリゾナ州立大学の協力も得るとしています。
最大10人滞在
Orbital Reefの計画はまだ初期段階にあり、詳細は今後詰められるようですが、現段階では最大10人が滞在できる規模を想定しています。国際宇宙ステーションは基本的に宇宙飛行士が滞在する施設ですが、Orbital Reefは研究者や旅行者などさまざまな訪問客を受け入れます。Orbital Reefについて、Blue Originの上級副社長ブレント・シャーウッド氏は「宇宙にアクセスしやすくし、コストを抑え、そして宇宙飛行を普通のものにするのに必要なサービスやアメニティを提供します」と発表文で述べています。
コストを抑えると言ってもそれなりの額になることが見込まれ、誰でも気軽に宇宙に行けるという時代はまだ先のように思われますが、研究・開発を行う企業にとっては有効な選択肢となるかもしれません。
Sierra Space
(文・Mizoguchi)