そんな同社が取り組む新規事業はAMR(自動配送ロボット)事業。自社開発する自律走行型配送ロボット「LOMBY(ロンビー)」を活用し、「OKIPPA」とはまた別のアプローチで物流のラストワンマイルにおける社会課題の解決を目指します。
この新規事業のプロジェクト第1弾は「中山間地域での新たなラストマイルインフラの構築」。その実現に向け、2021年10月25日より5日間、広島県の北広島町にて「LOMBY」に宅配便と生鮮食品などを混載して配送する実証実験を行います。
宅配物と生鮮品などをまとめて配送
同社は、2021年4月に広島県のAI・IoT実証プラットフォーム事業構想「ひろしまサンドボックス」のアクセラレーションプログラム「D-EGGS PROJECT」に採択されて以来、「LOMBY」およびサービスに必要なハードウェア・ソフトウェアの自社開発を進めてきました。「LOMBY」は、各種センサーの情報を統合して最適な配達ルートを自律走行するAMR。大きな特徴は宅配物と生鮮品などの自動混載機能でしょう。離れた複数地点に設置された各ステーションにて、宅配物と生鮮食品などさまざまなモノをピックアップし、指定されたステーションへの配送を完全自動で行うことを目指すとしています。
実証実験では、株式会社コムズが運営するショッピングセンターサンクス搬入口から役場本庁正面玄関の間、片道約300mを1日4回往復運行。フローとしては、ユーザーがネット注文した商品などを配達場所別にまとめてステーションに置くことで、これを「LOMBY」が自動回収し、指定の配達場所へ届けるというものです。ユーザーは、SMSで荷物到着の知らせを受け、まとめて受け取ることができます。
同社は同実験を通じ、AMRとしての性能検証はもとより、中山間地域での物流の利便性を確保しながら、AMRを新たな買い物支援として運用するための収益モデルの検証も行うようです。
「OKIPPA」と「LOMBY」で目指す課題解決
同社の「OKIPPA」は、設置工事不要で玄関のドアノブに固定できる折りたたみ可能な置き配バッグ。配送会社9社の配送状況表示に対応したアプリで、配送完了通知を受け取ることも可能です。また、アカウント情報やメールをアプリと連携させると、一部ECサイトで購入した商品情報を自動で取得し、配送状況をいつでも確認可能に。もちろん、盗難や個人情報漏洩への対策も講じられています。そんな「OKIPPA」の提供開始以降、同社は国土交通省や環境省、主要配送会社、大手EC事業者などとの連携を図りながら再配達率削減を目指してサービスの普及に取り組んできました。
直近では、株式会社LIXILと共に「OKIPPA」を収納した、後付け可能なスタイリッシュな宅配ボックス「ATMO(アトモ)」を開発したり、「OKIPPA」を大分県内在住の300名に無償提供し、再配達およびCO2排出の削減効果を調査する実証実験を行ったりといったニュースをTechable(テッカブル)でも取り上げています。
今後は、このたび第1弾プロジェクトが始動した新規AMR事業との両輪で、再配達、物流効率、労働環境などの物流における課題の解決に取り組んでいく方針です。
PR TIMES
(文・Higuchi)