作業者の身の回りの危険を評価する「指ダミー」
近年、産業界では労働力不足などを背景に、ロボットの活用が広がっています。一方で、拡大が見込まれる協働ロボットを活用するモノづくりの現場では、安心・安全の担保が最大の課題でありながら、特に人の指部の比較的軽度な傷害が多く発生している状況。手先や指を挟み込んでも大丈夫か、安全性をどう評価すれば良いのか等がわかりにくいためです。このような中、パナソニックとトヨタは、2018年より指部の安全性評価技術の共同開発を開始。パナソニックが持つ、人に近いと言われる豚の皮膚での検証実験などに基づいて開発している生体安全評価技術をベースに、トヨタのモノづくり現場での知見・経験を活かして開発されたのが、指ダミーです。
ロボット等の機械装置や家具等の指を挟み込むような狭い箇所に、指ダミーを人体に代わって挟み込ませると、裂傷の有無確認や、指部の軽度な傷害の予測とその評価ができます。このように、作業者の身の回りの危険をダミーを使って評価することが可能です。
指ダミーは、人体の骨にあたる芯棒部に、皮膚にあたる軟材料(指ダミー部)を被せた構成。皮膚に見立てた軟材料は、実際の人体と同程度と推定される裂傷強度(裂傷を発生させる荷重)を有した独自開発の材料です。軟材料を交換すれば、繰り返し利用できます。
人と機械が安心・安全に共存・協働できる社会を
パナソニックとトヨタは、今回、タナックに指ダミーの製造・販売を委託することで、誰もが購入できる体制を整えました。今後、両社は、人と機械が安心・安全に共存・協働できる社会の実現に貢献する取り組みを進めていくとしています。
PR TIMES
裂傷評価指ダミー(株式会社タナック)
裂傷評価サービス(パナソニック株式会社)