こうして個人間カーシェアが広がりをみせる中、同社は遊休資産となった法人車両に着目。企業にも「遊休資産を活用したい」「利用頻度が落ちた車両をシェアしてクルマの維持費を軽減したい」というニーズがあるのではと考え、2019年11月から法人車両のカーシェアについて実証実験を行ってきました。そして、法人車両のカーシェアのニーズが高いことがわかったため、本サービスとして展開するとのことです。
高級車もお手頃価格で
このたび本格提供される法人車両のシェアサイクルサービスは、共同使用契約の範囲内で一定の条件を設け、法人の車両をシェア可能にするというもの。登録可能車両数は各事業所につき3台までです。また、料金設定や受け渡し方法には制限が設けられたり、ドライバーが保険に加入しなければならなかったりと、同社が定める契約条件が付与されています。
2021年10月12日時点で登録されている法人車両の中には、自動車ディーラーが登録している車両も。「Anyca」のHPを開くと、「Anycaで乗れるディーラーの新型車」として、FIAT の「500C」やAudiの「A8」、VOLVOの「XC90 Inscriptio B6 AWD」、レクサス最新モデルの「LX」などが掲載されています。なかには、24時間の利用料金が数千円という車種もあり、憧れていた車に手軽に乗りたい人にはおすすめかもしれません。
もっと便利なカーシェアサービスを目指す
このたび、同サービスが本格提供に至ったのは、冒頭で記した実証実験で得た結果が大きかったのではないでしょうか。同実験は、2019年11月からクローズドで開始され、2020年8月からは本格的に実施されました。本格実施に伴い、企業や自治体へオープンな募集を開始。このとき、法人所有の車両におけるカーシェア活用モデル例として、人口が少なく、ビジネスでのレンタカー事業が難しいような地域で展開する「移住・帰省モデル」や、離島の住民が本土に来た際に活用する「離島モデル」が挙げられていました。結果、2021年7月1日までに登録された法人車両は394台と、そのニーズが明らかになったといえる成果を残しています。
また、実証実験中には、千葉県市川市役所に自治体公用車として試験導入したリユースEVを、休日に「Anyca」を活用して市民にシェアする取り組みも実施。休日にカーシェアを利用する市民に対し、千葉日産自動車株式会社および日産プリンス千葉販売株式会社が店舗営業時間内に充電サービスを無償で提供するなどの連携も図っています。
同社は今後も、企業や自治体が持つ車両を、地域住民などの生活の足として活用できるような取り組みを検討していくとのことです。
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株式会社ディー・エヌ・エー
(文・Higuchi)