超低遅延かつ多数同時接続が可能に
そもそも「ローカル5G」とは、土地所有者である企業などが主体となり、限られたエリアで柔軟に5G網を構築できる無線通信システムのこと。エリアごとにローカル5G網を構築することで、高速大容量で超低遅延かつ多数同時接続、外部環境に依存しない安定したネットワークが保有可能になるという特徴があります。現在、トンネル内において利用できるキャリア4Gでは、「大容量の高精細映像の伝送に時間を要する」という課題があるようです。一方、キャリア5Gについては普及が始まったところであり、高速道路のトンネル内への普及時期は未定。こういった状況を背景に、日立国際電気などの4社はエリア内で柔軟に5G網を構築できる「ローカル5G」の制度を利用したプロセス検証を行います。
作業者の安全確保に貢献
まずひとつ目の検証は、「ICT技術の組み合わせによる作業者の安全確保」です。高速道路のトンネル内に設置された4Kカメラの高精細映像をローカル5Gで伝送し、AI画像解析によって危険事象を検知。その後、現場の作業者に対して検知された危険事象をアラート通知する一連のプロセスが、現場における作業者の安全性向上に繋がることを検証します。そして、2つ目の検証は「スマートデバイスを活用した遠隔作業支援」。スマートグラスを装着した現場作業者に対して、ローカル5G通信を介した映像および音声を伝送し、遠隔地にいる熟練技術者からの作業支援プロセスが円滑に実施できることを検証します。これにより、少子高齢化に伴う人手不足や熟練技術者の減少に対応することを目指すとしています。
今回の実証実験は、総務省の「令和3年度 課題解決型ローカル5G 等の実現に向けた開発実証」に選定されたものであり、高速道路でローカル5Gを用いた総務省選定の実証実験としては初めてとのこと。総務省は、ローカル5Gの柔軟な運用の実現に向け、「課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」に係る実証事業を実施しており、2021年6月より公募を行っていました。
PR TIMES
日立国際電気
総務省
(文・Takeuchi)