そうした動きを加速させるのに貢献しそうなEV充電器がスイスの産業技術会社・ABBから発表されました。100キロ走行分を充電するのに3分もかからない、急速チャージャー「Terra 360」です。
15分でフル充電
Terra 360は既存のガソリンスタンドにある給油マシーンのような外観で、実際に、給油と同じように車にプラグを差し込んで使用します。ABBによると、Terra 360の最大出力は360kWで、急速充電対応のEVをフル充電するのに15分もかからず、同社は「世界最速のEVチャージャー」とうたっています。
EV開発が進むにつれ、充電技術も改良が図られていますが、EVが発売されたばかりの頃は夜間にプラグを車につなぎっぱなしにするなどして充電していました。それに比べると、15分で充電完了というのは目を見張る進歩で、給油の利便性にもさほど見劣りしません。
アジアでも2022年から展開
また、急速充電なので、わずか3分弱つなげるだけで100キロ走行分を賄えるというのも魅力です。コーヒーを買ったり、駅で人を待ったりなど、隙間時間にこまめにつなげるという使い方をすれば、バッテリー不足とは無縁になりそうです。Terra 360に付いている給電ケーブル4本の長さは5メートル。同時に4台に給電でき、その場合のケーブル1本あたりの出力は90 kWになります。
ABBは、Terra 360をまずは2021年末に欧州で、そして2022年に米国、中南米、アジア・太平洋地域で展開するとしています。Terra 360のような充電施設が従来のガソリンスタンド、そしてスーパーや公共施設の駐車場といった身近なところに設置されれば、EVへの買い換えが加速するのかもしれません。
ABB
(文・Mizoguchi)