広大な施設内での移動や、警備の現場で働くシニアの負担軽減といった活用法を同社は想定しています。
歩行者と並んで会話ができる
前1輪、後2輪という車体構成の「C+walk T」の外観はキックスクーターに似ていますが、ステップ部分は両足を載せるだけのスペースとなっています。これは人間ひとりのスペースに限りなく近づけることを意図しています。そして電動キックスクーターと違って歩行スピードでの走行を想定していて、時速2~6キロの5段階と、時速10キロ(熟練者用)の計6段階から選ぶことができます。通常の人が歩行するスピードは時速3〜4キロ。つまり、ゆっくりした歩行から早歩きよりも少し早いくらいのスピードまで対応します。
コンパクトさといい、スピードといい、トヨタは「周りの歩行者と横並びで会話ができるなど、歩行空間での高い親和性を追求した」としています。
ボタン操作で後進も
安全面では、障害物検知機能を搭載しています。ボディ前面のセンサーが人や障害物を感知すると、警告音が出ます。ハンドル近くのパネルにもアラートが表示され、時速2キロ程度まで自動で減速します。また、ハンドルまわりは、アクセルレバーの操作だけで発進、加速、減速、停止のコントロールができ、それとは別にブレーキレバーも付いています。ボタンを押して後進できるのはキックスクーターと大きく異なる点でしょう。
「C+walk T」はバッテリーで駆動し、フル充電時の航続距離は約14キロとなっています。
当面は公園や施設内での利用となりますが、将来的には公道での使用も同社は見据えているとのことで、いつか自転車のように身近な日常の乗り物になるかもしれません。
トヨタ
(文・Mizoguchi)