東京と福島をつなぐ「IoA 仮想テレポーテーション®」
同検証には、凸版印刷と東京大学大学院暦本研究室との共同研究の成果である「IoA 仮想テレポーテーション®」を活用。これは、遠隔地の分身ロボットやガイド、カメラに乗り移り、自分がそこにいるかのような感覚で遠隔体験ができる技術です。今回は、TISの豊洲オフィスのショールームに横幅3メートルの大型3面モニターを設置。モニターに4Kカメラで撮影した酒蔵からのライブ映像を配信し、まるで酒蔵にいるかのような没入感を高めた遠隔体験を実現しています。また、酒蔵側に設置したタブレットには、豊洲オフィス側の体験者の視点を表示するようです。
酒蔵や地酒の紹介に加えてインタラクティブな会話を行い、体験終了後に体験者アンケートを実施し、遠隔接客の購買意欲への影響や現地への興味向上効果を検証します。また酒蔵側には、実店舗接客以上の負担なく対応できたかどうかなどを確認するとともに、接客面・運営面での課題・改善点を洗い出すとのことです。
中間報告
同実証は2021年7月より実施しており、8月20日時点で45名が参加したといいます。この45名を対象としたアンケート結果では、参加者全員が「とても楽しめた」もしくは「楽しめた」と回答し、「会津に行きたいと思ったか」という質問に対しても全員がポジティブな回答だったようです。「お酒を買いたいと思ったか」という質問に対しては、44名が「買いたいと思った」と回答。「あまり思わなかった」と答えた人の理由としては「説明を受けてより一層、実際に行って試飲をしてから買いたいと思ったため」とのことでした。一方で、一時的な画質の劣化や音声の乱れが生じることで、コミュニケーションの質の低下に影響があることも確認され、通信環境や中継する場所・機材などの改善が必要なことがわかったようです。また、自由記述による意見としては、その場で購入できる機能やXR技術を活用した体験、試飲の実施といった要望が見られたとのこと(8月20日以降は試飲提供を実施)。
これらの中間報告から、遠隔体験ソリューションを活用した遠隔接客は、実店舗と遜色ない購買意欲の促進効果や現地への興味向上効果があるといえる、その場で購入できる機能や遠隔でも味や香りを知るための仕掛けがあれば、地方創生につながる「新たな遠隔接客サービス」が実現できる可能性がある、という途上評価が出されています。
PR TIMES
TIS株式会社(中間報告詳細)
(文・Higuchi)